ミュージカルは、歌、ダンス、演技が融合した総合的な舞台芸術です。
大人になってから新しいことを始めるのは少し勇気が必要かもしれません。
しかし、ミュージカルを学ぶことで得られる楽しさや達成感は、年齢に関係なく多くの人に喜びをもたらします。
この記事では、大人になってからミュージカルを始める理由、その魅力、そして初心者におすすめの練習方法について詳しく解説します。
大人になってからミュージカルを学ぶメリット
「大人になり、社会人として働くようになれば、ミュージカルを学ぶ意味なんて無い」
このように思っていないでしょうか。
実は大人になってからでもミュージカルを学ぶメリットは多く存在します。
①自己表現力が向上する
ミュージカルでは、歌、ダンス、演技という3つの要素を学んでいきます。
歌・ダンス・演技を学ぶということは、「声の出し方」「体の動かし方」「自分ではない他者の振る舞い方」これらを学ぶということです。
声の出し方、体の動かし方一つで人の印象は大きく変わります。そして印象によって他者からの評価は大きく変わります。
声の出し方、体の動かし方が変わるだけで、人生が一変することだってあり得るのです。
また、演技を通して他者の振る舞い方を学んでいくうちに、「自分ではない他者をもっと理解しようとする姿勢」が身についていきます。
世の中には様々な考え方や価値観があり、自分の価値観が全てではありません。
他者を心から理解しようとする姿勢が身につくことで、他者とのトラブルは一気に減り、コミュニケーションが円滑に、そして心地良い物になるでしょう。
このようにミュージカルを学ぶことで、人生そのものを好転させていく自己表現術を学ぶことができるのです。
②ストレス解消や心のリフレッシュができる
ミュージカルで歌うこと、踊ること、そして演じることは、ストレスの解消に非常に効果的です。
特に歌うことは、科学的にもリラクゼーション効果があるとされています。
歌詞に自分が普段ため込んでいる感情を込めて発散することで、ストレスが浄化され、心のバランスを保つことができます。
また、「ミュージカルをやればストレスが解消できる」という一つのルーティンができれば、日々の生活に新しい楽しみが加わり、心の充実感を得られます。
忙しい日常から少し離れて、舞台の世界に没頭する時間は、自分自身をリセットし、元気を取り戻す機会になります。
③新しい挑戦による自己成長が期待できる。
大人になってからでも、新しいことに挑戦することは、自分自身の成長につながります。
特に長く同じ環境に身を置いていると、考え方が凝り固まりやすくなり、発想力が乏しくなりやすいので、新しいことへのチャレンジはそれだけで大きな成長に繋がります。
また、舞台上で自分を表現する経験は、他では得られない満足感や自己肯定感をもたらします。
セリフや歌、振り付けを覚えて、練習した通りに本番で披露するだけでも難易度は相当な物です。
その分やり切った際の達成感は相当な物ですし、「やり切った」という成功体験は必ず今後の財産になります。
しかもミュージカルは、個人で完結する趣味とは異なり、仲間と一緒に作り上げるという特徴があるので、協調性やコミュニケーション能力も向上させることができます。
ミュージカルは大人になった今だからこそ、新しく挑戦する価値のあるジャンルなのです。
大人になってからミュージカルを学ぶ方法
大人になってからでもミュージカルを学ぶ手段はいくらでもあります。
効率的に成長するコツは「練習→本番」というサイクルをしっかり作ることです。
練習だけしていても練習に熱が入らなくなってしまいますし、仲間と作品を作り上げたという達成感も生まれません。
そういったコツを踏まえた上で、大人になってからミュージカルを学ぶ具体的な方法を紹介していきます。
①オーディションを受けてミュージカルに出演する
「ミュージカル オーディション」などと調べれば、色々なオーディション情報が出てきます。
オーディションと聞くと実力が無ければいけないと思ってしまいがちですが、実は大規模な物から小規模な物まで様々なので、小規模なオーディションなら未経験者でも十分にチャンスがあります。
一度合格してしまえば数ヶ月間の稽古→本番という流れが約束されます。
物事を継続するのが苦手という方でも、オーディションに合格して責任が生じてしまえばやらざるを得ないので、オススメです。
オーディションに合格しなければならない点と、スケジュール調整を難しい点などがデメリットです。
②社会人ミュージカル劇団に所属する
こちらも未経験者にはハードルが高い選択肢ですが、規模を選ばなければ十分にチャンスはあります。
ミュージカル劇団に所属している俳優が全員プロ、もしくはプロ志望でなければいけないということはなく、アマチュアとして劇団で活動している人はいくらでもいます。
特に「社会人ミュージカル劇団」と謳っている劇団は未経験者や社会人に理解がある場合がほとんどです。
「未経験者を育てたい」という考えで団員募集している劇団もあるので、「始めるならある程度はしっかりやりたい」と考えている人にオススメです。
③ミュージカルサークルに所属する
ミュージカルサークルは劇団と比べて敷居が低く、入るのにオーディションなどもない場合が多いので、気軽に所属することができます。
所属すれば劇団程ではない、そこそこの頻度で稽古と本番を繰り返していくことができるので、楽しみながらミュージカルを学ぶことができます。
サークルならメンバーがある程度固定化されるので、親密になりやすく仲間が作りやすいというメリットもあります。
ミュージカルを教えるプロがいるわけではないので、しっかり基礎から学びたいと思っている人には合わないかもしれないのがデメリットです。
気軽にミュージカルを楽しみたい人にとっては1番オススメの選択肢かもしれません。
④単発のワークショップやプチ体験会などを自分で組み合わせる
1日、もしくは2日間連続などの単発のミュージカルワークショップなどに行くことで、仕事などで忙しい場合でも気軽にミュージカルを習うことができます。
その上で、「1日でミュージカルを体験してみよう!」といった趣旨のプチ体験会などに参加すれば、自分でスケジュールを調整しながら練習→本番のサイクルを組むことができます。
⑤ミュージカルレッスンを行っているスクールに通う
ミュージカルのレッスンは、多くの音楽スクールやスタジオで提供されています。
スクールのレッスンは基礎からミュージカルを学べるだけでなく、個々のペースに合わせたカリキュラムが用意されているところが魅力です。
また、スケジュール調整もスクールや講師側で柔軟に行ってくれます。
スクールを選ぶ際には、次のポイントをチェックしましょう。
- 初心者向けのクラスがあるかどうか。
- グループレッスンなのか、マンツーマンレッスンなのか。
- 講師が実績のあるプロであるか。
- 体験レッスンや見学が可能かどうか。
- 自分の生活スタイルに合ったスケジュールで通えるか。
- 発表会があるのかどうか。
初心者クラスであっても、グループレッスンの形態を取っている場合、レッスンに付いていけなくなる可能性がゼロではありません。
まだ他の生徒と一緒にレッスンするのはハードルが高いと感じている未経験者の方は、マンツーマンでミュージカルのレッスンが受けられるスクールを検討してみましょう。
また、ミュージカルの発表会を行っているスクールなら、レッスンで実力を付けてから人前で発表するというルーティンが組めるので、非常にオススメです。
このように、オーディションを受けたり劇団に所属したりすることだけがミュージカルを始める方法ではありません。
「劇団に入るのはちょっとな〜」と夢を諦めていた方は是非もう一度考えてみてください。
大人からのミュージカル挑戦でよくある不安とその解消法
大人になってからミュージカルに挑戦するのは不安も大きいでしょう。
ここでは代表的な不安とその解決策をお伝えします。
年齢に関する不安
「大人になってからミュージカルを始めても遅すぎるのではないか」という不安を持つ方は少なくありませんが、それでミュージカルを諦めてしまうのは非常にもったないないことです。
確かにプロを目指すのであれば年齢は非常に重要なファクターですが、趣味としてミュージカルをやるのに年齢やミュージカルの上手さなどは全く問題ではありません。
「下手でも、高齢でも、ミュージカルが好きだからやる!」というモチベーションで活動している人やミュージカルチームは山ほどあります。
恥ずかしい気持ちは痛いほどわかりますが、一度実際に活動している様子を見れば「やってみようかな」という気持ちが湧き上がってくるはずです。
まずはピンときたスクールやサークルなどに連絡をして、見学してみてください。
悩むのはその後でも遅くありません。
歌やダンスができるか不安
「歌が苦手」「ダンスの経験がない」と感じて一歩が踏み出せない初心者の方も多くいらっしゃるかと思います。
そういった方はまずスクールの初心者クラスに通ってみるのが良いでしょう。
初心者クラスと言いつつ、グループでのレッスンだとどうしても周りとのレベル差ができてしまう場合があるので、本当に初心者の方はマンツーマンでミュージカルのレッスンが受けられるスクールをオススメします。
マンツーマンならその人のレベルに本当の意味で寄り添うことができるので、歌やダンスの苦手意識がどうしても拭えない人にとっては1番安心して練習できる環境ではないでしょうか。
実際にミュージカルとして表現していくのは、歌やダンスをすることにそこまで緊張しなくなってきたタイミングで良いと思います。
何事も、焦りは禁物です。
自分のペースで学んでいきましょう。
仕事や生活との両立
大人の場合、仕事や家事など、日常生活の中でミュージカルを学ぶ時間を確保するのは難しい課題ですよね。
その場合は、先述した「大人になってからミュージカルを学ぶ方法 」の①〜⑤の選択肢から、スケジュールが調整しやすそうな選択肢を選べば良いのです。
1番現実的なのは⑤の「スクールに通う」でしょう。
①〜③は比較的スケジュール調整が難しい選択肢ですし、④は継続に相当な根気が必要だからです。
仕事があってこその趣味なので、無理のない選択肢を選ぶようにしましょう。
初心者向け!ミュージカルレッスンで身につけるべきスキルとコツ
ミュージカルで必要なスキルは数えればキリがないほどあります。
その中で、特に重要なスキルと、それを身につけるコツをお伝えしていきます。
発声の基礎
ミュージカルではしっかりと観客に届く声量で歌ったりセリフを話したりしないといけません。
それにはまず、「大きな声を出しても喉が苦しくならない」という状態、つまり基礎をしっかりと作ってあげる必要があります。
発声の基礎が身についていない人に1番ありがちなのは「過度に息を堰き止めてしまう」もしくは「息が抜けすぎてしまう」という症状です。
ウィスパーボイス(囁き声のこと)が出せなかったり、反対に全ての声がウィスパーボイスのようになってしまうということです。
一曲通してウィスパーボイスだけで歌ってみたり、反対にハッキリした音質の声だけで歌ってみたりすることで、自分がどちらのタイプなのかを判断することができます。
自分のタイプがわかったら、苦手な方をどんどん練習していきましょう。
そうすることで、肺からの空気圧を声帯で適切に付け止められる状態を作ることができ、大きな声を出しても喉が締まらなくなっていきます。
これがミュージカルの発声の基礎を作る上で1番重要なことです。
ダンスの基礎
ミュージカルにおけるダンスは、歌や演技と同じくらい重要です。
初心者の方は、基本的な姿勢やステップ、リズム感を養うことから始めると良いでしょう。
特に、簡単な振り付けを繰り返し練習することで、ダンスの動きに慣れることができます。
さらに、体幹を鍛えるエクササイズを取り入れると、姿勢が良くなり、動きがスムーズになります。
ミュージカルのダンスはストーリーを表現する役割を担っているため、振り付けの意図を理解し、感情を込めることが重要です。
これを意識することで、単なる動き以上の表現力が身についていきます。
演技力
ミュージカルでは演技力も重要なスキルの一つです。
役作りの基礎として、キャラクターの背景や性格を理解し、その感情を演技に反映させるトレーニングを行いましょう。
鏡を使って表情や身振りを確認する練習や、台本を使ったリーディング練習が役立ちます。
また、グループでの演技練習や、インプロビゼーション(即興劇)の練習も効果的です。
これにより、他のキャストとのコミュニケーション能力が高まり、舞台上での自然な演技が可能になります。
さらに、感情表現をより深めるために、日常生活での観察力を磨くことも有益です。
ミュージカル初心者におすすめの練習方法
ここではミュージカル初心者におすすめの練習方法を紹介していきます。
全部をちゃんとやる必要はないので、まずピンと来た物からやっていってください。
自宅でもできる練習法
ボイストレーニング編
まずは先述したように、自分がウィスパーボイスが苦手なのか、はたまたハッキリした音質の声が苦手なのかを見極めましょう。
ウィスパーボイスの方が苦手だったという人は、腹式呼吸を練習して横隔膜を鍛えましょう。
そもそも息が持たないから、息を堰き止めて息の持ちを良くしているのです。
だから息っぽい発声が苦手になるのです。
腹式呼吸を練習することで横隔膜をしっかりと上下させられるようになれば、息っぽい発声でも息を持たせられるようになるので、息を堰き止める必要がなくなります。
ハッキリした声の方が苦手だった人は、息を堰き止める練習をします。
「パ」や「バ」といった発音は唇で一瞬息を堰き止めないと出せないので、堰き止める練習の最初のステップとしてとてもオススメです。
ボーカルトレーニング編
ボーカルトレーニングに関しては、歌詞をよく読み、歌詞の世界観を頭の中で膨らませる練習をしましょう。
ミュージカルの歌は登場人物の心情を表しているので、歌詞の内容が観客にきちんと伝わることがとても大切だからです。
ダンス編
ダンスの練習ではミュージカルの映像や振り付け動画を参考にし、鏡を使いながら動きを確認する練習をすると良いでしょう。
ストレッチや体幹トレーニングを日常的に行うのも非常に効果的です。
これにより、柔軟性を向上させるだけでなく、ダンスに必要な体力を養うことができます。
演技編
演技には大きく2通りのスタイルがあります。
一つは、自分というものを完全に消し去り、他者に完璧になりきろうとするスタイル。
もう一つは、「自分がこの状況に置かれたらどうするだろう」と、自分を主軸に演技を組み立てるスタイルです。
前者の演技をやりたい方は、日常的に動物や人のモノマネをする癖をつけてください。
とにかくオーバーに、身体的にマネしてください。
体や表情、喋り方の癖からそのキャラクターの心情にアクセスしていくのがこのスタイルの醍醐味です。
後者のスタイルでは、人間観察や読書をしながら、自分だったらどうするのかを常に考える癖をつけるのが効果的です。
演技の練習は歌やダンスと違い、日常生活と結びつけられるものが多いので、癖付けることが上達の1番の近道でしょう。
クラス外でもできる発表練習
クラスやレッスンの外でも発表の機会を作れると、上達の速度は非常に早くなります。
例えば、オンラインコミュニティやローカルのアマチュアグループに参加することで、人前でのパフォーマンス経験を積むことができます。
これにより、舞台での緊張感を克服し、自信をつけることができます。
さらに、家族や友人に自分の歌やダンスを披露するのも効果的です。
リラックスした環境で練習の成果を見てもらうことで、フィードバックを受け取ることができます。
このように、練習と実践をバランス良く取り入れることで、スキルアップを図ることができます。
仲間との練習でモチベーションを維持
一人で練習を続けるのは難しいと感じることもありますが、仲間と一緒に練習することでモチベーションを保つことができます。
ミュージカルスクールやワークショップでは、同じ目標を持つ仲間と出会うことができます。
お互いに切磋琢磨しながら練習を進めることで、楽しさとやりがいを感じられるでしょう。
また、練習の中で生まれる仲間との絆は、舞台での協調性にもつながります。
共通の目標に向かって努力する仲間がいることで、自分一人では気づけなかった成長ポイントを見つけることができるはずです。
ZIGZAG MUSICの大人のためのミュージカルレッスン!初心者でも安心して学べるコース
ZIGZAGのミュージカルレッスンは、大人になってからミュージカルを始めるのに非常に適しています。
理由は以下の通りです。
- マンツーマンレッスンなので、未経験の初心者であっても、その人に合わせたカリキュラムでレッスンできる。
- 22時まで営業しているので、仕事帰りでも通える。
- オンラインレッスンが可能なので、遠方や急な転勤でもレッスンができる。
- 講師と直接やり取りしてスケジュールが決められるので、スケジュール調整が簡単
大人になってからミュージカルを始めることを検討している方は、是非一度無料体験レッスンを受けてみてください。
まとめ:大人から始めるミュージカルで新しい自分に出会おう
いかがでしたでしょうか。
大人からミュージカルを始めることは、新しい挑戦であると同時に、自分自身を成長させるチャンスです。
自分の生活リズムに合った方法を選べば、始めるのが困難なんてことは全くありません。
大人ならではの経験や感受性を活かし、新しい自分に出会えるミュージカルの世界へ一歩踏み出してみましょう。
きっと、今まで知らなかった自分の魅力に気づくことができるはずです。
それでは!