歌が上手い人って、なぜあんなに自然に高音が出せたり、長く安定して声を伸ばせたりするんでしょうか?
その秘密のひとつがとくに呼吸法にあります。
今回は、ボイトレ初心者さんにもわかりやすく、歌に必要な呼吸の基本から実践トレーニングまでを丁寧に解説していきます。
腹式呼吸の基本とその重要性を知る
歌における呼吸法のなかでも「腹式呼吸」は、声の土台となる大切なスキルです。
まずはその仕組みと、なぜ歌にとって重要なのかを見ていきましょう。
胸式呼吸との違いを理解する
普段の会話や生活のなかで私たちが無意識に行っているのは、胸をふくらませる「胸式呼吸」です。
しかしこの呼吸法は吸える空気の量が少なく、浅く速い呼吸になりがちです。
一方、腹式呼吸では横隔膜を下げてお腹に空気を入れるように吸うことで、深く安定した呼吸が可能になります。
この「たっぷり吸って、安定して吐く」呼吸が、長く安定した声や高音の支えに直結するわけです。
腹式呼吸で得られる3つのメリット
腹式呼吸を身につけると、以下のような効果が歌声に表れます。
・息が続くので、長いフレーズでも最後までしっかり歌える
・声に芯ができるため、通る声になる
・喉の負担が減るため、声枯れしにくくなる
どれも、歌が上手い人に共通する特徴ですね。
逆にこの中の1つでも「できていないな」とおもった人は、「呼吸」に問題がある可能性が高いです。
まずは自分の歌を録音などをして聞いて、このメリットに当てはまるのか確認してみましょう。
初心者でもできる簡単な感覚チェック
仰向けに寝て、手をお腹の上に置いたままゆっくり深呼吸してみましょう。
お腹が上下に動けば、それが腹式呼吸の感覚です。
立っているときもその感覚を再現できるようにしていきますが、それは実際のトレーニングで見ていきましょう。
例えばいままで歌うのが大変だった曲を仰向けに寝ながらうたうと、驚くほど自然に声が出たりします。
キーが高くて歌えなかった曲も、この状態でうたうと自然と腹式呼吸になり、いい響きの声で歌うことができることもあります。

歌における呼吸のクセと注意点を確認する
腹式呼吸を意識していても、歌の中ではついクセが出てしまうことがあります。
ここでは、ありがちな呼吸のクセや注意点を整理しておきましょう。
息の吸い方が浅い
緊張したり、高音に備えて力んでしまったりすると、呼吸が浅くなりがちです。
結果として、息が足りずに声がかすれたり、音が不安定になったりします。
「しっかり吸う」は一見簡単そうで、意外と難しいもの。
歌う前に深呼吸をしてしっかり歌うための呼吸を準備することが大切です。
人前で歌うときなどは緊張して、息が浅くなったりしてうまく歌えなかった。
そんな経験もある人がいるんじゃないでしょうか。
私もそうでしたが慣れていくうちに自然と深い呼吸で歌を歌うことができるようになっていきます。
すると意識をしないでも響く声が綺麗に出るようになっていきますよ
※7分48秒辺り参照↓
息を無意識に止めてしまう
フレーズの途中でつい息を止めてしまう方も多いです。
これが続くと、息の流れがぶつ切りになってしまい、気持ちの良いフレーズも聞き心地が悪くなってしまいます。
これは息の流れというのを普段意識する機会がないことから起こります。
息の量に頼りすぎる
腹式呼吸ができるようになると、つい「たくさん吸って、いっぱい吐けばいい」と思いがち。
ですが実際には必要な分だけ息を適切に出す、息をコントロールする感覚が大切です。
この感覚を獲得するには、息の流れを意識する適切なトレーニングをしていく必要があります。
最初は息がだだ漏れてしまう人も、しっかりとトレーニングで息の量のコントロールをしていくと歌える幅が広くなっていきます。
腹式呼吸がうまくできないときの対処法
「腹式呼吸がうまくできない…」「立つとお腹が動かない…」そんな悩みもよく聞きます。
ですが大丈夫です、コツさえつかめば誰でも上達できます!
ストロー呼吸法
細いストローを使って、ゆっくり長く息を吐く練習をしてみましょう。
お腹を軽くへこませながら行うことで、自然と腹式呼吸の「吐く感覚」が身につきます。
まず「吸う」感覚よりも「吐く」感覚を第一に考えてあげること。
すると自然にお腹を使った呼吸の感覚で息を吸うことができるようになってきます。
この感覚を掴んであげることで、しっかりと歌うための土台を作ることができます。
骨盤を意識して呼吸してみる
立って行うときに腹式呼吸が難しい人は、「お腹」ではなく「骨盤あたり」まで空気を入れるイメージでやってみてください。
おへその下あたりがふくらむような感覚で吸うと、自然と腹式に近づいていきます。
力まないための「脱力ウォームアップ」
肩や首に力が入ると、腹式呼吸は妨げられます。
ストレッチをしたり、軽くジャンプしてリラックスするだけでも、呼吸の通り道が変わってきますよ。
首周りや顎下、更には脇下や胸周りまで、歌う際には軽くストレッチしてあげましょう。

歌に活かす腹式呼吸の実践トレーニング
いよいよ、腹式呼吸を歌に応用していくためのトレーニング方法を紹介します。
どれも自宅でできる内容なので、ぜひ今日から試してみてください。
ロングトーンで息をコントロールする
ピアノやアプリを使って、「あーーー」と一定の音を10秒間キープする練習です。
お腹から支えて声が出せているか、声がゆれずに出ているかをチェックしましょう。
最初は中々長さがもたないと思いますが、続けていると次第に伸びていきます。
何度もくりかえし練習していきましょう。
これができるようになってくると、たとえば歌で声を伸ばす場所などが自然に出るようになってきます。
歌詞を使って呼吸をなじませる練習
歌を歌う際には、「どこで息継ぎをするか」を考えることで、しっかりと音楽のリズムを邪魔しない形で歌い上げることができるようになっていきます。
最初に用意した歌詞にペンなどで「ブレスの位置」「音を上げる位置」「ビブラートなどのテクニックを入れる位置」などを書き込むクセを付けるようにしていきましょう。
例えば自分の声をレコーディングしながら、ある曲の一定のフレーズだけを繰り返し練習することで、正しいブレスの位置や表現を自分の技術として獲得できるようになっていきます。
自分が歌を録音するときなどは、歌詞によく書き込みをいれて見えるようにしていますが、それがあるのとないのとでは大きく表現力に差が生まれます。
リップロールで息の流れと声のバランスを整える
「プルルル」と唇を震わせながら、音階を上下するトレーニングです。
こどものお遊びの延長のような形のように見えますが、これは呼吸の流れを身体で感じるためのとてもいいトレーニングです。
自分が鳴らしやすい音に関しては簡単に感じますが、高音や低音になってくるとなかなか出しづらいのがわかると思います。
しっかりとこの感覚をつかんでいけば、高音や低音で歌う際の感覚を正しくつかんでいくことができます!
うまく唇を震わせられない人は、はじめは短くでもいいので、すこしずつ音を追っていけるようにしていきましょう。
するとある日しっかりと長い息を出しながら上の方までスムーズに呼吸をしながらリップロールができるようになります。

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まとめ:呼吸が変われば歌が変わる!
いかがだったでしょうか?
腹式呼吸という言葉はよく聞くけれど、実際にはその仕組みや感覚を掴んでいなかったり、またそのために音は出ているのに響きがよくなかったりする人が多くいます。
しかし、日々のトレーニングで少しずつ感覚が身についていくと、まるで「別人の声になったような」変化を感じられるはずです。
歌を変えたいなら、まず呼吸を変えること。
声の出どころである「息」をコントロールできるようになると、歌うことそのものがぐっと楽しくなってきます。
今日紹介した方法を、ぜひ明日から試してみてください。
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