イラストコースの佐藤です。
今回はキャラクターイラストを制作する上で最も重要といっても過言ではない「キャクターの目」についての話題になります。
キャラクターを描く上でみなさんは「可愛く/かっこよく」描きたい、と言うふうに意識していることと思います。そうやって完成したイラストを眺めた時に「上手く描けて入るんだけど、なんか引き込まれるような魅力を感じない…」といったことを感じたことがあるかも知れません。
原因はいくつか考えられるのですが、その中の1つでもある
「キャラクターの目線」
について確認していきましょう。キャラクターを2人並べてみました。
髪型や輪郭、瞼の位置は全て同じですが、瞳の位置を若干変えてあります。
どちらも「正面をみている」という表現には違いありませんが、決定的に違うことが一つあります。それは「キャラクターが見ているものまでの距離」です。
私たちも日頃からやっていることですが、ものすごく近くにあるものを凝視する際は「寄り目」になり、遠くにあるものを眺めるときの瞳はほぼ中央に位置します。
見ているものまでの距離がイラストとどう関係あるのかというと、多くの場合キャラクターがカメラ目線になっている場合、その視線の先にはその絵を見ている人(あなた)である事が多いです。
その場に大好きなキャラクターが居て、会話できるかのような距離感を感じられるというのが最大の魅力なのですが、その距離感に大きな影響をもたらすのが目線になります。
当然ながらお互いの距離が近ければ近いほど、キャラクターの目線は寄り目がちになります。しかし、想像しているシチュエーションでは近距離であっても、まるでキャラクターが遠くを見ているような目線になっていると「あれ、自分のこと見えてる??」と不安になってしまいます。
逆に今まさに対面で話をしているキャラクターの目線が遠くを見ているようだと「対話」ではなく「独り言」のような印象になってしまいます。
描かれたキャラクターの目線が意図した方向を向いているかという調整の後で「そのキャラクターの目線の先に何があるのか?」「対象までの距離はどの程度か?」といった画面に描かれない部分まで意識して調整することで没入感の高いイラスト作品を制作することができるようになります。
いわゆる「物語性」の表現の一環にはなるので、やや難易度の高い内容にはなってしまいますが、可愛く/かっこよく描けるようになったその先に控えている課題とも言えます。
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