小手先(こてさき)という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
意味を聞かれたらほとんどの方が「その場しのぎ」というマイナスなイメージをもつ言葉だという認識だと思います。
一方で「機転が効く」「ちょっとした細工」などのプラスのイメージも併せ持つ複雑な言葉です。
その上であ今回は「小手先の技術」の重要性を説明したいと思います。
例えば「絵の描き方」などで検索すれば山のように参考情報が見つかると思います。
書籍で探しても数多のハウツー本が見つかります。
それでもレビューをみると大体は高評価と低評価に分かれています。第一線で活躍しているかたの貴重な情報であってもです。なぜそういうことが起こるのでしょうか?
私なりに考えた上の結論としては「小手先の技術が欲しいか否か」で評価というものは分かれるというものでした。
例えば「イラストの奥行き・立体感が乏しい」という悩みに対して何かいい方法はないか?と尋ねられたら「被写界深度の表現を取り入れてみたらどうか?」とまずは提案してみます。
ここで「なるほど、わかりました!!」となることはほとんどないので、手順を説明したり注意点を説明することになります。何度かやってみないと手順を忘れてしまうことはあるかもしれませんが、基本的に手順通りに行えば何度でも再現可能です。
小手先の技術の良いところはこの「技術の有無で再現性が変化しない」という点にあります。
体調が悪くても、機材のグレードが低くても、初心者であっても「手順」さえ合っていれば同じような表現が可能になります。そして小手先の技術は「技術」ではなく「機能」の使い方に重きを置いたものであることが多いです。
機能の使い方、組み合わせ方の説明なので「万人受け」しやすい情報となります。
そういった内容は情報としてまとめやすく、書籍や動画などで数多発信されています。
万人受けする小手先の技術は「初心者」の方にとって非常に心強い表現の武器になります。
小手先の技術を手にしないまま創作活動を始めるのはかなりハードルが高いと思いますので、まずは役立つ知識をいくつか覚えるのが良いかなと思います。
一方で「小手先の技術」では通用しない分野も当然存在します。
例えば「作品のテーマ選び」などが最たる例です。
例えば「秋」というテーマで何か作品制作をしようと考えている時に「描きたい絵のテーマがなかなか決まりません、どうしたらいいでしょうか?」となった際に「秋といったらハロウィンでしょ。それ以外かくとかおかしいよ?」なんて意見がでたら余計なお世話だ、となるはずです。
秋のテーマでハロウィンのイラストを描くのは鉄板なので間違ったことは言っていないはずなのですが、「人によって考え方・解釈が異なる」というのが小手先の技術では通用しないところになります。
小手先の技術に頼り続けるとそのうち「作品がマンネリ化」してきてしまいます。いわゆるスランプです。
理由は至ってシンプルで、小手先でカバーできない技術が不足してしまったからです。
もちろん追加で小手先の技術を習得するのもスランプ脱出のきっかけになりますが、小手先の技術だけで生み出しつづけると今度は「個性が弱い」「絵柄が安定しない」といった悩みにつながります。
私の作業手順を文字にしたものを添付しました。※⑦抜けてます
私の場合は①〜⑥は下準備、⑧〜⑩が清書段階になります。
私の感覚では①〜⑥までは小手先の技術で説明がしにくく、⑧〜⑩は小手先の技術だけでも割となんとかすることができます。①〜⑥に小手先の技術を取り入れようとすると「なんか自分には合わない」「難しい」「役に立たない」といった評価になります。逆に⑧〜⑩の工程に小手先の技術が組み込まれていないと「再現性がない」「私の絵柄には合わない」「自分の使っているソフトではできない」といった評価になります。
私はこれがレビューの二極化につながっていると感じました。
普段の自分の作業手順を振り返って、どこでつまづいているのかを確認するだけでもスランプを突破する糸口が見えてくるかもしれません。
レッスンでは小手先の技術を教えることはもちろん、小手先では説明しにくい部分も可能な限り「小手先化」して説明したいと思っています。新しくイラスト制作を始めてみたい方はもちろん、音楽関連に興味はないけどイラストのレッスンを受けてみたいという方も大歓迎です。
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