「高音が出ない」「喉が締まってしまう」「力んでしまう」そんな悩みを抱える人はとても多いです。
しかしまず理想の高音を出すためには、トレーニングとあわせて「どうして声が出るのか」というメカニズムを理解することが大事です。
今回は発声の仕組みを知り、さらに具体的なトレーニングを行うことで、理想の高音に近づく方法をお伝えしていきます。
発声のメカニズムを理解しよう
「声を出す」とは、単に喉から音が出ているわけではありません。
実は体全体を使った「連動」によって生まれている現象です。
この仕組みを知ることこそが、ボイトレの成果を加速させるカギとなります。
声を出す3つの基本要素とは?
発声には大きく分けて「呼気(息)」「声帯(音源)」「共鳴(響き)」という3つの要素があります。
肺から送り出される空気が、喉にある声帯を震わせて音が生まれ、その音が口腔や鼻腔、頭部などで響いて私たちの声になります。
これらのどこか一つでもうまく働いていないと、思ったような声は出ません。
まさに高音が出ないときも、この連動が崩れているケースが多いのです。
声帯の役割と仕組み
声帯は2枚の薄い筋肉でできていて、ピンと張られた状態で空気を受けることで「ビリビリ」と震え、音を作り出します。
高音を出すときにはこの声帯が引き伸ばされ、速く振動する状態になっている必要があります。
つまり、声帯を柔軟に動かす筋力やコントロール力が必要というわけです。
これが鍛えられていないと、無理に力で出そうとして喉が締まってしまうことになります。
身体が“楽器”になる感覚を持つことが大切
「声は身体で鳴らす楽器」です。
例えばギターで言えば、音源にあたる弦があり、ピックが音源を鳴らすことによって、ボディの中で共鳴して反響します。
その楽器を正しく鳴らすには、部品の働きを知ることが大事です。
ボイストレーニングの質を上げるためには、単に「出す」ではなく、「響かせる」「支える」「振動させる」このような意識を持って臨むことが、上達への大きな一歩となります。

声を出すために使われる器官とは
発声は喉だけで完結するものではありません。
次に声を出すために使われる器官をみていきましょう。
息を送り出す「横隔膜」の仕組み
空気の送り出しを担うのは「肺」ですが、特に発声時に重要なのがその下に位置する横隔膜の動きです。
横隔膜は肺の下にあるドーム状の筋肉で、他の内蔵と肺を隔てる壁のようになっています。
これを下に引き下げることで肺に空気が入り、戻すときに息が押し出されます。
この息の流れがスムーズでないと、声は途中で止まったり、かすれたりしてしまいます。
高音になるほど、この「息の土台」がものを言うというわけです。
音を作り出す「声帯と喉頭」の働き
息が喉に届くと、「声帯」が震えて音が生まれます。
この声帯の動きを制御するのが喉頭と呼ばれる器官群です。
喉頭には筋肉や軟骨が集まっていて、声帯の伸び縮みを調整しています。
高音を出すときは、ここが緊張しすぎず、スムーズに動くことが求められます。
この部分に余計な力が入ると、声が詰まって出なくなるのです。
この筋肉をしなやかに鍛えるために必要なのが、ピアノスケールなどを使った発声練習です。
響きを操る「共鳴腔」の重要性
声帯が作った音は、それだけでは小さくか細いものです。
そこで登場するのが、ギターの話でも出てきた、「音を増幅させる部分」つまり「共鳴腔」です。
これは実際には口の中や喉の奥、また鼻付近の穴だったりするのですが、ここを使ってようやく声は響きや深みを得ます。
つまり、高音を「響かせて」出すためには、この共鳴腔の使い方、特に口の開きや舌の位置も大きく関わってくるということなのです。
地声・裏声・ミックスなど声の種類と特性
「高音を出す=裏声にする」だけではなく、自分の声質に合った発声を理解することが、高音習得への近道です!
ここでは各声種の違いとその活かし方を見ていきましょう。
地声(チェストボイス)は発声の基盤
地声とは、日常的に話している声に近い、胸に響くような発声です。
これは声帯がしっかり閉じて、太く振動している状態で、声に芯があり、力強さがあります。
高音を出すには裏声やミックスも必要ですが、地声のコントロールが不安定だと、その上に乗る高音も不安定になります。
まずはしっかりと地声で安定した音を出していきましょう。
裏声(ヘッドボイス)のしくみと使い方
裏声は、声帯が伸び、振動が速く、空気の通り道が広がることで出せる声です。
輪ゴムをイメージしてもらえるとわかりやすいです。
たるんだ輪ゴムを伸ばしながら指ではじいて鳴らしてていくと、どんどん音が高くなっていきます
このように高い音のときには声帯が伸びて、その間を息が通っています。
力を抜いて、頭に響かせるようなイメージで出すのがポイントです。
高音域で無理に地声を使おうとすると、声帯が固まり、喉に負担がかかります。
そんなときに裏声を活用することで、軽やかで安定した高音を出すことができます。
ミックスボイスは2つの声を“つなぐ”発声技術
裏声は声帯が伸び、振動が早いと言いましたが、地声はもっと声帯が短くなり、振動がはっきりした状態のものです。
ミックスボイスはこの両方の状態を兼ね備えたものです。
つまり、声帯が伸びた状態で、はっきりと振動しているといったことです。
この特徴をしることで、ミックスボイスの練習を行ったときもスムーズに声を出すイメージをすることができます。

高音を出すための発声トレーニング
次に、メカニズムを知ったうえで、更に実際に理想の高音を出しやすくするためのエクササイズを紹介します。
リップロールとハミングで喉を整える
リップロールは、唇を軽く閉じて「プルプルプル…」と振動させるエクササイズ。
これにより、喉に余計な力を入れずに、息の流れと声帯の柔軟性を整えることができます。
同様に、ハミング(口を閉じて「ん〜」と響かせる)も、鼻腔共鳴の感覚を育てるのに効果的です。
喉の筋肉をリラックスさせ、発声前の準備運動としても最適です。
どちらもピアノの音階に合わせて上下に上げ下げしてトレーニングしてあげましょう
こうしたトレーニングをすることで、息が流れる感覚をつかむことと、地声を鳴らすトレーニング両方を行うことができます。
音階練習で音程と響きを安定させる
次に「イエアオウ」などの母音でしっかりと音程へアプローチしていきましょう。
ピアノなどで「ドレミファソファミレド」のような簡単な音階を、どんどん上げていきます。
すると高いところにいくと中々出ない母音、音域があることに気づきます。
苦手な母音は克服しておけば、歌詞を歌うときにも楽に歌えるようになります。
音程を意識しつつ、喉が締まらない範囲で高音に近づけるよう意識しましょう。
自分は最初は高音がでなくて、なんだか首周りの筋肉がいたくなりました。
でも大丈夫。
それは筋トレができている証拠です!
数日後筋肉痛から開放されると、声がすっと出ることに気づくはずです!
喉周りの筋肉をしなやかに鍛えながら、地声をゆっくりとうえまで上げていきましょう。
母音を使ったスライディング練習で響きと高音をつなげる
「あ〜」や「い〜」の母音で、地声から裏声へ滑らかに移行するように、音をスライドさせていく練習です。
最初は「うまくつながらない」と感じるかもしれませんが、毎日繰り返すことで、高音を出すのが少しずつ楽になっていきます。
口の開きや舌の位置によって響きも変わるので、鏡でチェックしながら行うと効果的です。

発声の仕組みを知ることが上達への近道
「練習しても高音が出ない」「何が間違っているのかわからない」
そんなときこそ、もう一度「仕組み」を見直してみてください。
発声の知識は、遠回りに見えて実は一番の近道です。
知識があると練習の方向性が明確になる
「なぜこの練習をするのか」が理解できていないまま声を出しても、身体はついてきません。
声帯の動きや息の通り道、共鳴の位置をイメージしながら発声することで、練習の精度が格段に上がります。
無理な発声を避けて喉を守れるようになる
発声の仕組みを知っている人は、自分の限界を超えそうなときに「今、喉が詰まっているな」「この声の出し方は力が入りすぎているな」と冷静に判断できます。
逆に知らないと、「もっと大きく!」「もっと高く!」と無理をしてしまい、喉に大きな負担をかけてしまうことも。
知識は、喉を守り、練習を継続するための最大の防御でもあるのです。
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まとめ:発声の仕組みを知ることでより理想の声に近づく!
いかがだったでしょうか。
高音を出すためには、喉を無理に開くのではなく、発声の仕組みを理解し、身体の連動を意識することが重要です。
声は筋肉であり、感覚であり、そして知識で育てていくもの。
今回紹介した内容をもとに、自分の身体と声に向き合いながら、少しずつ「理想の声」に近づいていきましょう!
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