歌が上手い人がたまに言われている「喉が開いているね！」という言葉。

聞いたことある人もいるのではないでしょうか。

喉を開くと、なぜ歌がうまくなるのでしょうか？今回は「そもそも喉を開くって何？」と言う初歩的な疑問から、メリットや練習法、気をつけるべき注意点まで段階的に解説していきます！

喉を開くってどういう状態？

喉を開く、と言われても、正直なところ「開くってどういうこと？」と感じる方も多いのではないでしょうか。

私自身も最初はその意味がよくわからず、ただ脱力して「力が入っていないね」と言われ余計わからなくなっていきました。

ここではそんなドツボにハマらないよう、喉を開くとはどういう状態かを解きほぐしていきましょう！

喉を開くとは喉の奥の空間を広げること

「喉を開く」とは、言い換えれば「喉の奥にある空間を広げること」です。

イメージしやすいのは、あくびをするときの感覚。

口を大きく開けなくても、舌が下がり、喉の奥が広がるような感覚があるのではないでしょうか、あれがまさに喉が開いた状態に近いのです。

この状態になると、声の響きが一気に深く、豊かになります。

反対に喉が閉じていると、声は詰まって聞こえたり、苦しそうな印象になったりしがちです。

はじめて喉を開いて発声できたときは「こんなに響くの！？」と驚くはずです。

声帯が開くとは違う

「喉を開く」と混同されがちな言葉に「声帯を開く」という表現がありますが、これはまったく別の話です。

声帯は、声を出すための振動装置のようなもので、普段は開いていて、声を出すときに閉じて振動する仕組みになっています。

一方で、「喉を開く」というのは声帯そのものではなく、そのさらに上にある「咽頭」や「軟口蓋」といった空間に関するもの。

ここで声帯からつくられた響きがさらに共鳴を生み、きれいな音を生み出します。

この違いを理解せずに「声帯を開こう」としてしまうと、ただのウィスパーボイスになってしまうので注意が必要です！

（でも意外とこの違い難しいですよね）

喉を開くときの身体感覚とイメージ

では、実際にどうやって「喉を開く感覚」をつかむのか。

よくいわれるのが「あくび」の口の形です。ためしにあくびをしてみましょう。

このときべろがグーッと下がり、喉の奥がふわっと広がるような感覚があるかと思います。

それがまさに喉が開いている感覚です。

また、「うなじあたり」に響かせるような感覚を意識するのも有効です。

響きを喉の手前ではなく、もっと奥に飛ばすようなイメージを持つことで、自然と喉が開いていく方向に整っていきます。

どうしても「あくび」ができない人は夜中にこのコラムを何度も読み返しましょう。

きっとすぐにでもあくびがでるはずです・・・。

喉を開いて歌うメリット

喉を開いて歌うことができるようになると、歌の表現や歌いやすさにさまざまな変化が訪れます。

ここではその中でも特に実感しやすい3つのメリットを紹介していきます！

高音が楽に出るようになる

まず大きな変化として感じるのが「高音の出しやすさ」です。

喉が開いていると、声が上方向に無理なく抜けていき、力まずに高い音を出すことができるようになります。

自分も喉を意識せずに歌っていたころは、高音になるたびに喉がしまってしまい「なんか違うな」と思うことがよくありました。

喉を開く練習を取り入れてからは、高音域でもスッと伸びていくような感覚が出てきて、歌うのが楽しくなってきたのを覚えています。

声に響きと深みが出る

喉を開いて歌うと、声の「響き」そのものが大きく変わってきます。

喉の奥に広がりができることで、声が豊かに共鳴し、まるでホールで歌っているかのような深みが生まれ、洋楽のアーティストのような歌い方も手に入れることができます。

例えば高音がでるけどキンキンしたおとになってしまう！

という人にはとくにこの口腔共鳴を使ってもらうと、響きがまろやかに、とても聞きやすくなるのがわかるかと思います。

自分もキンキンする声になやんでいたところこの口腔共鳴を練習しはじめて音がまろやかになるのを実感したので、この方法は本当におすすめです。

長時間歌っても喉が枯れにくくなる

そしてもうひとつ見逃せないのが、「喉の疲れにくさ」です。

喉が開いている状態での発声は、喉周りの筋肉に無駄な力が入らないため、長時間歌っても声が枯れにくくなります。

逆に喉が閉じたままで発声していると、空気の通り道が狭くなり、声を無理に押し出そうとする癖がついてしまいます。

この状態で練習を続けてしまうと、すぐに喉がイガイガしてきたり、ひどいときには声が出なくなることも。

歌を長く楽しむためには、この「喉を守る発声」を身につけることが何より大切です。

喉を開くためのコツ

喉を開こうとするあまり、逆に喉を締めてしまった経験はありませんか？

このセクションでは、喉を開くために有効な「意識の持ち方」や「具体的な感覚」を紹介します。

無理のない方法で、自然な発声を身につけるヒントになれば幸いです。

いろいろな感覚をためしてみる

喉を開く感覚に一番近いのが、「あくび」をするときの状態ですだとは話しましたが。

例えば「オペラ歌手のような歌い方」、または「のどの奥にピンポン玉を押し込められたような歌い方」などで同じように喉を開く感覚がつかめる人もいます。

大事なのは、１度に急にできるかどうかではなく、こういった喉奥の筋肉を鍛えながら空間を広げていくことです。

空間を広げるのには後述する練習などを行うことが効果的です

舌と喉のポジションを意識する

喉を開こうとするとき、多くの人が舌の位置に無自覚です。

実は、舌の根元が上がっていると喉は締まりやすく、逆に少し下げることで喉の空間が確保され、響きが深くなります。

練習時には、舌を少し前に出して下げ気味にすることで、喉が楽になる感覚をつかめることがあります。

喉が開いている歌手の曲を聞く

喉を開いた状態での発声がどんなものか、実際に「聞いて体感する」ことも大切です。

クラシックのオペラ歌手や、ミュージカル俳優の発声にはその特徴がよく表れています。

中でも鬼塚ちひろさんや平原綾香さんなど、深く響く高音を持つ歌手の歌唱は参考になるでしょう。

こういった歌手の方々の「響き」や「喉の感じ」を真似してみるのも効果的です。

喉を開くトレーニング

ここでは、喉を開く感覚を実際に体で覚えるためのトレーニング方法を紹介します。

日々の練習に取り入れやすいものを選びましたので、ぜひ試してみてください！

口腔共鳴を意識してピアノのスケールで上げ下げ

まず「あくびの口」または「オペラの口」を作ってあげます。

すると喉の奥の空間が空きますので、それを保つ形でピアノのスケール音に合わせて音を上げていってあげます。

練習方法としては、ピアノのスケールを使って「あー」と母音で音階を上げ下げするだけ。

大事なのは、口の中の空間を広く保つことですが、これがもし難しい場合は「うなじ」のあたりに響かせるようなイメージであげていってあげてください。

すると口の開きをキープすることができうまく音をあげていくことができます。

このとき首周りや背筋のあたりが疲れると思いますが、それこそまさに筋肉が鍛えられている証拠ですので、しっかりとトレーニングしてあげてください

「フィ」発音での歌唱練習

「喉を開いたまま歌詞を歌うのが難しい・・・」という方におすすめなのが、「フィ」だけで歌うトレーニングです。

これは歌詞の意味を取っ払って、あくまで発声の形と響きに集中する方法です。

「フィ」は、舌の位置が前寄りで、喉が開いた状態を維持しやすい発音です。

お気に入りの曲を使って、まずは全部の歌詞を「フィ」に置き換えて歌ってみましょう。

特に「高音がキンキンする！」という人はこういった練習で改善していくことができます。

またすきな曲などで練習ができるので、手軽にできる点も魅力です

べろを出しての歌唱練習

喉が閉まってしまうタイプの方に効果的なのが、「べろを出したまま歌う」練習です。

とても簡単で、舌を軽く出したまま「あー」と発声します。

最初は間抜けな見た目に感じるかもしれませんが、舌の緊張がとれ、喉が自然と開きやすくなります。

この練習は、舌根（舌の奥）が上がって喉が締まるのを防ぐため、意識的に喉の空間を作りやすくなります。

声がこもる人、響きが浅い人には特におすすめです。

実際に「響きが悪い」といっていた生徒さんがこのトレーニングを取り入れることで喉が開いたときの感覚を意識できるようになり、口腔が開くようになってきました。

まずはすきな曲から、続けて高音などが多い楽曲で取り組んでみるようにしましょう。

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まとめ

いかがだったでしょうか。

喉を開く＝口腔を開くということができるだけで歌の幅は大きく広がります。

まず喉を開けるためにはイメージやトレーニングから、次第に実践的な歌で「響きのいい声」をつくっていきましょう！

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