ギターボーカルは、聴く人の心を一瞬で捉えられる魅力がありますが、パッと見難しそうですよね。
そのため「やってみたい・・・」とおもってもなかなか手が出しづらい現実があるかと思います。
しかし、ひとつひとつの要素にわけてみると誰でもできることの連続で簡単にはじめられることがわかると思います!
このコラムでは、そんなギターボーカルについて基礎知識から練習方法まで、簡単に説明していきます。
ギターボーカルとは?求められる役割と魅力
ギターボーカルは「弾いて歌う」というシンプルなパフォーマンスですが、シンプルだからこその奥深さがあります。
ここでは様々なギターボーカルの役割と魅力について見ていきましょう
視覚的なパフォーマンスの楽しさ
ギターボーカルの魅力は、「視覚的な楽しさ」と「手軽さ」のバランスがちょうどいいといったところにあります。
例えばステージでピアノを弾く。
たしかに映像としてきれいですが、実は何カットも上から撮ったり鍵盤を弾いている指元をとったりして映像が出来上がっている事が多いです。
一方ギターはもともと人の身体の前面に配置してあるので客席に向けて演奏するだけで何をしているのか見えやすく、情感を込めていることがわかりやすいです。
ドラムも同じく派手ですが機動力がなく、ベースも全面に配置されますが指さばきがギターとくらべると多少地味になりがちです。
そういった視覚的に楽しませるといった意味でもギターはすぐれたパフォーマンス道具だといえるでしょう。
ソロとバンドで違う「求められる力」
バンドでギターボーカルを務める場合、他パートとのバランス感覚が求められます。
一方、ソロ弾き語りではすべてを自分でコントロールしなければなりません。
どちらも同じ「ギターボーカル」ですが、その役割と意識すべきポイントは大きく異なるのです。
自分がどちらのシチュエーションで活動するのか、あるいは両方を経験するのかによって、必要な練習や視点も変わってくるでしょう。
同時にやることの難しさと面白さ
歌とギター、それぞれ単体ならできるのに、同時になると途端に難しくなる
この感覚に多くのビギナーが戸惑います。
ただこれは「歩きながら歌う」のと同じで、練習によって自然とできるようになっていくので安心してください。
リズム・テンポ・歌詞・コード、全てをコントロールする感覚が掴めてくると、むしろ「一体化していく」面白さに目覚めることができます。
最初はバラバラに感じていた動作が、ある瞬間からピタッと合ってくる。
その感覚が得られたとき、ギターボーカルというスタイルの本当の楽しさが見えてくるはずです。
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ギターボーカルが意識すべき3つのコツ
なかなかギターボーカルができない!
そんなとき、あせってしまいますよね。
でも大丈夫。
ひとつずつステップアップしていけば必ずできるようになります。
ここではギターボーカルを練習する前に最初に意識すべき、3つのコツをご紹介します。
ギターと歌、どちらを軸にするかを決める
人によっては弾き語りをするときにどちらをメインにするかを意識したほうが上達が早まることがあります。
歌に意識を向けてギターを同期させるのか、ギターに意識を向けて歌を乗せるのかでリズムのとりやすさも違います。
最初に弾き語りをしたときに歌に注目したほうがやりやすければ歌に意識を向けて、ギターに注目したほうがやりやすければギターに意識を向けて、弾き語りをしてみましょう。
ギター・歌のそれぞれの練習の基準をつくる
弾き語りにはギターと歌、それぞれ達成すべきレベル感があります。
初級者でしたらギターは楽曲のコードが問題なくすべて弾ける、歌は歌詞カードを見ながらテンポよく歌える
上級者はギター伴奏を見ないで弾けるように、歌は読まずに歌えるようにしていきましょう。
こういったレベル感を目標にそれぞれ上達させていくことが、ギターボーカルへの近道となります。
「弾き語り」の練習を挟む
それぞれ練習していくことも大事ですが、うまくいかないうちからギター演奏と歌をつないでいく作業をしていくことも大事です。
弾き語りは神経回路をつないでいく作業でもあるので、最初のうちからこの違和感に慣れていく事でしっかりとした演奏力をみがいていくことができます。
最初はBPM60程度でゆっくり、テンポよく歌えるようにコード進行や、歌詞をひとつずつ確実に練習していきましょう。
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ギターボーカルにおけるギターと歌い方の種類
ギター・ボーカルと一口にいっても使うギターやスタイルによってその歌い方は異なります。
ここでは代表的なアコースティックギター、エレキギターなどを取り上げながら、それぞれの演奏スタイルにあった歌い方を話していきます。
エレキギター、アコースティックギターの違い
まずギターそのものの特性として、エレキギターはディストーションやリバーブなどエフェクトの影響を受けやすく、音色の幅が非常に広いです。
逆にアコースティックギターは、ギター単体で完結するサウンドが求められ、弾き手のタッチや空間の響きがより反映されます。
演奏する場面も異なり、バンドの中でエレキを担うなら他楽器との「間」を意識した表現が必要です。
一方、アコギの弾き語りではコードストロークやアルペジオで空間を埋めていくような、構成力が求められます。
ギターサウンドにあった歌い方の種類
<エレキギターの場合>
音色が歪んでいたり、深いエフェクトがかかっていたりする場合、それだけで曲を飽きさせない音色の変化ができるでしょう。
ただし声はそれに負けないように力強くしていく必要があります。
ディストーションが効いたギターには、チェストボイスやがなり系の歌唱が映えますし、
逆にクリーントーンやアルペジオに近い音色なら、柔らかく繊細な歌い方のほうがマッチします。
ウィスパーボイスやミックスボイス、浮遊感のある抑揚などを意識して、ギターと声が一つのサウンドとして調和するようにしましょう。
<アコースティックギターの場合>
ギターと歌だけで全体が構成されることが多く、より「響き」のある声が求められます。
特に楽器の量が少ないので、高音域のコントロールや息の使い方に注意を払わないと、すぐに「音が外れた」とおもわれてしまいます。
ギターボーカルのアーティストたち
実際にギターボーカルとして活躍しているアーティストを挙げてみると、そのスタイルの幅広さがよくわかります。
・エリック・クラプトンはまずギターの表現力が飛び抜けています。
バッキングだけでなく、アルペジオなどを使ってアコギやエレキでの弾き語りを高いレベルでこなせる下地があり、そこに太く響く声が乗っかってきます。
・YUIさんは、アコギのシンプルなバッキングにあわせてですが、しっかりと高音の響く声で聞く人の感情を揺れ動かします
・Mr.Childrenの桜井和寿さんは、バンドアンサンブルの中でも映える前に飛ぶような歌い方が特徴です。
このように、ギターボーカルはスタイルも声の使い方も千差万別。
自分の好きなアーティストを研究して、自分にあった方向性を見つけてみてください。
ギターボーカル練習法
ギターボーカルで苦労するのは「どうやって弾き語りをしたらいいかわからない」というところです。
でも、順を追って練習していけば、確実に上達していきます。
この章では、弾き語りに特化した練習ステップを紹介します。
メトロノームとダウンピッキング
弾き語りの第一歩としておすすめしたいのが「メトロノーム」と「ダウンピッキング」の組み合わせです。
まずはBPM60程度のゆっくりしたテンポで、ダウンピッキングのみでコードを刻んでいきましょう。
最初は「単調でつまらない」「ダサい」と感じるかもしれませんが、リズムを正確に捉えることが、後の表現力に直結します。
慣れてきたらテンポを倍にし、ピッキングの数を増やしていきましょう。
歌詞をテンポに落とし込む
次に、実際の歌を使ってリズムの感覚を養います。
たとえば「さいた さいた チューリップの花が」など、単純なリズムの童謡から始めるのが効果的です。
これをBPM60で、ダウンピッキングに合わせて歌ってみましょう。
この歌はすべて歌詞の強拍が表拍にきています。
よくわからない方は、とにかくメトロノームが「カッ」と音がなるときにギターを鳴らして上げればOKです。
次はギターのみのテンポを2倍にしていきます。
それまで弾いていた場所のちょうど間にもう一度弾く場所を設定してあげればいいです。
すると知らないうちに裏拍を弾いていることになります。
これでまずは歌えるようにしましょう。
最後に ギターを弾く<偶数回>のみアップピッキングにする。
いわゆる「ジャカジャカ」という感じをつくっていきましょう。
これで歌えるようになったらテンポを上げていけば、いつのまにか立派な弾き語りができるようになっています。
実践経験を増やす
結局、もっとも効果的な練習方法は「実践」です。
友人の前で披露する、オープンマイクに参加する、録音して聞き返すなど、どんどん場数を踏んでいきましょう。
ギターに関しては、コードのストロークを「ジャカジャカ」弾けるようになったら、あとはその中でリズムを抜いたり強調したりすることで、よりニュアンスのある演奏になります。
ただし大切なのは、「ギターがうまい」よりも「弾き語りとして伝わる」こと。
ギターと歌のバランスを意識しながら、自分なりのスタイルを作っていくことが何より重要です。
Q&A
Q:ギターがまだ下手でも、弾き語りを始めてもいいですか?
A:まったく問題ありません!
むしろ、ギターのコードが2〜3個しか弾けなくても、簡単な曲で弾き語りを始めてしまうのはとても良い練習になります。
演奏と歌を同時に始めることで、「ギターと歌がどう関わっているか」を体で覚えられるようになります。
難しい曲や完璧な演奏を目指すより、まずは「できること」で歌ってみるのが上達の近道です。
Q:ギターと歌、どちらを先に練習すべきですか?
A:どちらが得意かによって変わります。
もしあなたがすでにギター経験者なら、ギターを軸にして歌を乗せる練習がスムーズでしょう。
逆に、歌が得意でギターを始めたばかりなら、シンプルなストロークでコードチェンジを最低限にして、歌を優先したほうが挫折しづらいです。
どちらにせよ「両方完璧にしようとしない」ことが大事。まずは「片方を支える」感覚を育てましょう。
Q:人前で披露するのが怖いのですが、どうすればいいですか?
A:小さなステップで経験を積んでいくのが効果的です。
いきなり大勢の前で披露する必要はありません。
まずは家族や友達の前、あるいはスマホで自分を録音してみるだけでも十分です。
録音を聴くことで、自分のクセや課題にも気づけます。
少し慣れてきたら、オープンマイクや音楽サークルなど、小規模でアットホームな場所で実践していくと、自信がついていきますよ。
Q:練習しているのに、なかなか上達している気がしません…
A:ギターボーカルは“合体技”なので、時間がかかって当然です。
ギター単体、歌単体ではできるのに、「合わせたらズレる」というのは非常によくある悩みです。
それは、脳と身体の回路がまだできていないだけ。
毎日5分でもいいので、反復しているとある日ふと“つながる”感覚がやってきます。
焦らず、同じ曲を何度も繰り返すことが、実は一番の近道だったりします。
Q:おすすめの練習曲はありますか?
A:初心者にはテンポがゆっくりでコードが少ない曲がオススメです。
たとえば、スピッツの「チェリー」や、YUIの「Good-bye days」などは、コード進行も比較的シンプルで、テンポも速すぎず、弾き語りの基礎を学ぶのにぴったりです。
童謡や子どもの歌も意外と良い練習になります。
「チューリップ」や「きらきら星」など、誰でも口ずさめる曲で、ギターと歌のリズムを合わせる感覚を身につけましょう。
まとめ
弾き語りは「感覚を磨いていく」ことが大事です
弾き語りは技術だけでなく、「感覚」がものを言う表現スタイルです。
ただそれは「センス」とは違い、ひとつずつわけてあげれば確実に積み上がっていくものです。
まずは簡単な曲のダウンピッキングから、弾き語りをはじめてみましょう!
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