ミドルボイスとは?どんな声かと初心者でもできる出し方4ステップ
こんにちは、ZIG ZAG MUSIC SCHOOLです!
歌の動画やSNSで「ミドルボイス」という言葉を見かけたけれど、それがどんな声なのか、よく分からない。
高い音を出そうとすると、声がひっくり返ったり、叫ぶような声になったりしてしまう。
そんなモヤモヤを抱えていませんか?
実は私自身も、もともと歌に苦手意識があり、ボイストレーニングに通うまで「ミドルボイス」という言葉すら知りませんでした。
この記事では、ミドルボイスがどんな声なのかを分かりやすく説明したうえで、初心者でも自宅で試せる出し方を4つのステップでお伝えします。

結論:ミドルボイスとは「地声と裏声をなめらかにつなぐための声」
ミドルボイスとは一般的に、地声と裏声の切り替わり付近で、両方の特徴をバランスよく使って歌う声を指します。
ボイストレーニングでは先生やメソッドによって「ミドルボイス」「ミックスボイス」などの言葉の使い方が異なることがあります。
この記事では初心者にも分かりやすいように、地声から裏声へ移る途中で声が大きくひっくり返らず、高い音までつなげていくための声をミドルボイスと呼んで説明します。
私たちが歌うときには、普段話す声に近い「地声」と、高い音で使いやすい「裏声」があります。
低い音から高い音へ上がっていくと、その途中で声が「ガクッ」とひっくり返ったり、急に細くなったりする人もいるでしょう。
ミドルボイスを練習する目的のひとつが、この切り替わりをなめらかにすることです。
J-POPのサビなどで、高い音なのに叫んでいるように聞こえず、芯のある声で歌われている場面でも、地声と裏声のバランスを調整した発声が使われています。
高音で苦しくなりやすい人は、地声の感覚をそのまま高い音まで保とうとしている場合があります。
この記事では、まず裏声を安定させ、そこへ少しずつ芯のある響きを加えながら地声との切り替わりをつなげていきます。

ミドルボイスの出し方【4ステップ】
ここからは、実際にミドルボイスを練習していきましょう。
用意するものは、録音ができるスマートフォンと、声の高さを確認できるアプリです。
たとえばVocal Pitch Monitorなど、歌った音程を画面に表示できるアプリを使うと、自分がどの高さで歌っているのか確認できます。
Androidでも、Google Playで「ボーカル音程モニター」などと検索すると、同様に声の高さを確認できるアプリを見つけられます。
練習するときの音量は、基本的に隣にいる人と会話するときくらいを目安にしてください。
ステップ1. 声がひっくり返る「切り替わり地点」を見つける
【改善したい症状・悩み】
高い音へ上がると声が突然ひっくり返ったり、どこから裏声を使えばいいのか分からなかったりする人は、まず自分の声が切り替わりやすい高さを確認します。
この高さが分かると、その周辺を使って地声と裏声をつなぐ練習ができるようになります。
【具体的な練習方法】
まず、普段話しているときと同じくらいの高さで「あー」と声を出します。
そのまま救急車のサイレンをまねするように、「あ〜〜〜」と音程を連続的に上げてください。
音を上げていく途中で、地声の感覚を保てなくなり、声が急に裏声へ切り替わったり、声質が大きく変化したりする場所を探します。
切り替わったところで一度止まり、音程アプリに表示されている音名を確認してください。
たとえばE4付近で毎回声質が変わるなら、E4周辺が現在の切り替わりやすい場所だと考えられます。
【できているかどうかの判断基準】
同じ「あー」で何度か低い音から高い音へ上がったとき、毎回ほぼ同じ高さの周辺で声質が大きく変わることを確認できれば、自分の切り替わり地点を見つけられています。
このステップの目的は、声をきれいにつなぐことではなく、「自分はどの高さで声が切り替わりやすいのか」を知ることです。
ステップ2. 裏声の「ほー」で、切り替わり地点を上から下へ通過する
【改善したい症状・悩み】
低い音から高い音へ歌うと地声で力んでしまう人は、一度裏声からスタートして、切り替わり地点を反対方向へ通過してみましょう。
裏声から下降することで、地声を高い音まで押し上げるクセを抑えながら、切り替わり付近を通る感覚を練習できます。
【具体的な練習方法】
ステップ1で見つけた切り替わり地点より高い音を、裏声の「ほー」で出します。
たとえば切り替わり地点がE4なら、まずA4前後のように、明らかに裏声で出せる高さから始めてください。
そこから「ほ〜〜〜」と音を切らずに、切り替わり地点を通過して、その数音下まで連続的に下げていきます。
スマートフォンの画面を見ながら、音程が高いところから低いところへ連続して動いていることを確認しましょう。
【できているかどうかの判断基準】
切り替わり地点を通ったときにも、「ほー」という声そのものが途切れず、高い裏声から低い声までつながって聞こえれば成功です。
音程アプリの線も、高い位置から低い位置まで連続して表示されているか確認してください。
ただし、アプリの線は周囲の音や声量によって途切れる場合があるため、最終的には録音した声そのものが途中で途切れていないかも確認します。
切り替わり地点を通っても声が突然途切れず、ひと続きの「ほー」として聞こえれば、このステップはできています。
ステップ3. 「ネイ」で裏声に芯のある響きを加える
【改善したい症状・悩み】
裏声なら高い音を出せるものの、息っぽく弱い声になってしまう人は、「ネイ」という発音を使って、より芯のある声を作っていきます。
ここでは高い音を大きな声で出すことよりも、裏声の出しやすさを残したまま声の輪郭をはっきりさせることが目的です。
【具体的な練習方法】
ステップ1で見つけた切り替わり地点付近の高さで、「ネイ、ネイ、ネイ」と発音してください。
最初は、子どもが「ねえ、ねえ」と呼びかけるときのような、明るく少し鼻にかかった声をイメージすると作りやすくなります。
まず裏声に近い軽い「ネイ」を出し、次に息の量を減らしながら、声の輪郭がはっきり聞こえるところまで変化させてみてください。
音量は隣にいる人へ話しかけるくらいを保ちます。
【できているかどうかの判断基準】
最初の裏声に近い「ネイ」と比べて、息の「スーッ」という音が減り、「ネイ」という言葉がはっきり聞こえるようになれば、裏声に芯のある響きを加えられています。
その状態でも、首や喉に強く力を入れず、同じ高さの「ネイ」を続けられることを確認してください。
裏声の出しやすさを残したまま、「ネイ」という言葉の輪郭がはっきり聞こえる状態を見つけることが、このステップのゴールです。
この声が安定してくると、息っぽい裏声だけでは出しにくかった、芯のある高音へつなげやすくなります。
ステップ4. 「ネイ」の響きのまま、切り替わり地点をなめらかにまたぐ
【改善したい症状・悩み】
地声と裏声をそれぞれ出せても、メロディーを上下すると途中で声がひっくり返ってしまう人は、ステップ3で作った声のまま切り替わり地点を通過する練習をします。
【具体的な練習方法】
ステップ3で出した「ネイ」の響きを使い、「ね〜〜〜」と声を伸ばします。
ステップ1で見つけた切り替わり地点より低いところから始め、切り替わり地点を通過して高い音まで上がり、そのまま元の高さまで戻ってください。
たとえば切り替わり地点がE4なら、C4前後から始め、G4前後まで上がってからC4前後へ戻すと、切り替わり地点の前後を練習できます。
この声をスマートフォンで録音して、終わったあとに聴き返しましょう。
【できているかどうかの判断基準】
録音を聴き、低いところから高いところへ上がる途中で、声が突然ひっくり返っていないかを確認します。
次に、高いところでも「ねー」という声の輪郭が残っているかを確認してください。
さらに、発声中や発声後に喉の痛みが出ていないことも確認します。
低い音から高い音まで「ねー」がひと続きに聞こえ、高いところでも声の輪郭が残っていれば、地声と裏声の切り替わりをなめらかにつなげられています。
この状態が安定してきたら、好きな曲の高いフレーズを、最初は歌詞を使わず「ねー」だけで歌ってみましょう。
同じメロディーをひっくり返らずに歌えるようになったら、次に本来の歌詞へ戻していきます。

なぜこの4ステップでミドルボイスを練習できるのか?声の仕組みから解説
ここでは、4ステップで行ったことを、声が出る仕組みから説明します。
声は、喉の奥にある声帯という左右一対のひだが、肺から送られた息によって振動することで生まれます。
音程が変わるときには、声帯の長さや厚さ、張り具合なども変化します。
地声から高い音へ上がるにつれて、同じ声帯の状態を保ち続けることが難しくなり、声の出し方も少しずつ変化していきます。
この変化が急激に起こると、声が「ガクッ」とひっくり返ったように聞こえることがあります。
ミドルボイスの練習では、この地声と裏声の切り替わり付近で、声の状態を少しずつ変化させながら、声をなめらかにつなげていきます。
ステップ2で裏声から音を下げたのは、高い音を地声で押し上げるクセを避けながら、裏声側から切り替わり地点を通るためです。
ステップ3では「ネイ」という発音を使い、息っぽい裏声から、言葉の輪郭がよりはっきりした声へ変化させました。
そしてステップ4では、その声を保ちながら音程を上下させ、実際の歌でも必要になる「切り替わり地点をまたいでメロディーを動かす」練習をしています。
最初から大きな声で高音を狙うよりも、会話程度の音量から始めたほうが、余計な力を加えずに声の変化を確認しやすくなります。

歌が苦手だった私が「ミドルボイス」を知って変わったこと
ここで少し、私自身の話をさせてください。
私はもともと、歌うことに苦手意識がありました。
カラオケで高い音が来ると、声がひっくり返るか、叫ぶような声になるかのどちらかで、サビの前になると毎回ドキドキしていたのを覚えています。
「このままではずっと楽しく歌えない」と思い、思い切ってボイストレーニングに通うことにしました。
レッスンで最初に驚いたのは、声にはいろいろな出し方があり、それを説明するための名前があると知ったことです。
地声と裏声、そしてその間をなめらかにつないでいく「ミドルボイス」という考え方を教わったとき、自分がなぜ高い音でつまずいていたのかが、初めてはっきり分かりました。
私はそれまで、高い音も地声の感覚のまま頑張って出そうとしていたのです。
ミドルボイスを知ってからは、「ここは地声の感覚で歌える」「ここからは声の出し方を変えていこう」と、曲の中で高音へのアプローチを考えられるようになりました。
同じ曲でも歌い方の選択肢が増え、歌唱の幅が広がったことで、歌うことが前よりずっと楽しくなりました。
振り返ってみると、ミドルボイスを身につける第一歩は、「高い音には地声を押し上げる以外の出し方もある」と知ることでした。
ただ、自分の声が今どんな状態になっているのかは、録音を聴いても判断に迷うことがあります。
私の場合も、講師に声を直接聴いてもらい、「今は地声の力が強い」「もう少し裏声側からつないでみよう」と教えてもらえたことが、上達するうえで大きな助けになりました。
よくある質問
Q. ミドルボイスとミックスボイスは違うものですか?
A. この2つの言葉は、ボイストレーニングの先生やメソッドによって使い方が異なります。
ほぼ同じ意味で使われる場合もあれば、声の状態や音域によって分けて呼ばれる場合もあります。
この記事では、地声と裏声の切り替わりをなめらかにつなぐための声という意味で「ミドルボイス」という言葉を使っています。
初心者のうちは呼び方だけにこだわらず、地声と裏声の間を声が大きくひっくり返らずに行き来できるようになることを目標にしてみましょう。
Q. 「ネイ」の練習をすると、鼻声っぽくなってしまいます。
A. 「ネイ」は、練習のために少し鼻にかかったような明るい声を使っています。
そのため、普段歌っている声より鼻声っぽく聞こえること自体は珍しくありません。
まずは「ネイ」で切り替わり地点をなめらかに通れるようにし、そのあと実際の歌詞へ戻したときに、普段の発音へ近づけていきましょう。
Q. 練習をすると喉が痛くなります。
A. 喉に痛みが出た場合は、その時点で声を出す練習を終了してください。
次に練習するときは、ステップ2の裏声の「ほー」へ戻り、隣にいる人へ話しかけるくらいの音量から始めます。
痛みが出ない音量と高さで声をつなげられることを優先し、その状態から少しずつ歌へ近づけていきましょう。
痛みや声のかすれが続く場合は発声練習を休み、必要に応じて耳鼻咽喉科などの医療機関へ相談してください。
Q. どのくらいでミドルボイスが出せるようになりますか?
A. 声の切り替わり方やこれまでの発声習慣には個人差があるため、「何日で出せる」と一律に決めることはできません。
期間よりも、今回の4ステップがどこまでできるようになったかで変化を確認してみましょう。
最初は裏声の「ほー」で切り替わり地点を途切れずに通れるようになり、次に「ネイ」で声の輪郭を保てるようになり、最後に実際のメロディーでも切り替わりが目立たなくなっていけば、練習が進んでいることを確認できます。

まとめ:ミドルボイスは、地声と裏声をつなぐところから練習しよう
この記事ではミドルボイスを、地声と裏声の切り替わりをなめらかにつなぎ、高い音まで歌いやすくするための声として紹介しました。
練習では、まず自分の切り替わり地点を見つけます。
次に裏声の「ほー」で上から切り替わり地点を通り、「ネイ」で芯のある響きを加え、その声のまま低い音から高い音までつなげていきます。
高い音を地声の感覚だけで押し上げるより、裏声側から切り替わり地点をつなぐ練習をすると、声がひっくり返る場所を少しずつなめらかにしていけます。
私自身も、ミドルボイスという考え方と練習方法を知ったことで、高い音への向き合い方が変わり、歌うことがもっと楽しくなりました。
ただ、自分の声がどの状態になっているのかは、1人で録音を聴いても判断に迷うことがあります。
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