こんにちは、ZIGZAGミュージックスクールの岡です。
フロー収入
今日は、音楽で生きていくうえで、収入の流れにはどのようなものがあるかを、できるだけ簡単に書いてみたいと思います。
どんなにいい曲を書いても、どんなに素晴らしい演奏をしても、お金がなければ活動を続けることが難しくなります。
そこで今回は、音楽家にとっての「ストック収入」と「フロー収入」について書いていきます。
少しでも収入の流れをコントロールできるようになれば、音楽に集中できる環境を作れる可能性が上がるからです。
まず「フロー収入」から説明します。
これは、働いた分だけその場で手に入るお金のことです。
たとえば、
- ライブのギャラ
- レッスンの謝礼
- 依頼された楽曲制作の報酬
こうした収入は、やればやるだけすぐにお金が入るので、短期的には助かります。
コンビニのレジ打ちや、イベントのアルバイトを想像すると分かりやすいかもしれません。
働けばお金はもらえるけれど、働かなければ収入はゼロです。
音楽家としての活動においても、フロー収入だけに頼ると「常に仕事をし続けなければならない」状態になってしまいます。
これは体力的にも精神的にもハードです。
ストック収入
一方で、「ストック収入」は、一度仕組みを作れば、継続的にお金が入ってくる収入のことを指します。
具体的には、
- サブスク配信(Spotify、Apple Musicなど)のストリーミング収益
- CDやダウンロード販売の売上
- YouTubeの広告収益
- 楽譜販売や、音楽のライセンス収入
これらは、一度作ってしまえば、その後もじわじわと収益を生んでくれる可能性があります。
イメージとしては「畑を耕して、果実を育てる」ようなものです。
最初に種を植え、水をやり、時間をかけて育てれば、やがて果実が実り、それを収穫し続けられる。
もちろん放置すれば枯れてしまうので、適度な手入れ(プロモーションや新作の投入)は必要ですが、一度軌道に乗ると安定した収入源になります。
コックとオーナー
たとえば、あなたがレストランで働くコックだとしましょう。
お客さんが来るたびに料理を作り、その対価として給料をもらう。
これはフロー収入の働き方です。
忙しいときは稼げるけれど、休めば収入は途絶えます。
一方で、あなたがレストランのオーナーだったらどうでしょう?
店を作るまでは大変ですが、一度軌道に乗れば、自分が働かなくてもスタッフが料理を作り、お客さんが来るたびに売上が入ります。
これがストック収入の考え方です。
音楽家として生きるとしたら、この「コック」と「オーナー」のバランスをどう取るかが重要です。
最初はフロー収入をメインにしながら、少しずつストック収入を増やしていくのが理想的です。
(個人的には、どのような生き方を選ぶかにもよると思いますが)
では、音楽家がストック収入を増やすにはどうすればいいのでしょう?
いくつかの方法を紹介します。
①サブスク配信での収益化
SpotifyやApple Musicで楽曲を配信すれば、ストリーミングされるたびに収益が発生します。
最初は少額でも、曲数が増えるほど積み上がっていきます。
コツコツ続けることで、じわじわと「再生される資産」を増やしていくことができます。
②YouTubeでの広告収入
YouTubeで演奏動画や解説動画を投稿し、広告収入を得る方法もあります。
登録者1,000人・総再生時間4,000時間の条件を満たせば収益化が可能になります。
コンテンツを増やせば増やすほど、動画が再生されるたびに収入が発生します。
ちなみに僕は、編集が楽しめないので、YouTubeはあまり熱心にやっていません。
自分の向き不向きに目を向けることも忘れないようにしましょう。
長く続けるコツの一つです。
③文章・音源・グッズの販売
楽曲のライセンス販売(映画やCMでの使用)や、文章、ファン向けのグッズ販売も、販路を拡大したり、多角的にアプローチする方法として有効です。
④オンラインサロン・メンバーシップ
ファン向けの限定コンテンツを提供するオンラインサロンや、YouTubeのメンバーシップ機能、noteのマガジン機能などを活用することで、継続的な収益を得ることができます。
これは「自分のコミュニティを育てる」ことにつながり、結果的に音楽活動の安定化にも役立ちます。
音楽で生きていくためには、「今すぐ稼ぐ手段(フロー収入)」と「将来的に育てる収入(ストック収入)」を組み合わせていくことが重要です。
最初はフロー収入が中心でも、少しずつストック収入の割合を増やしていけば、次第に収益の安定感が増していきます。
「自分が働かなくても収入が入る仕組み」を意識しながら、長期的な視点で音楽活動を続けていきましょう。
音楽の世界は不確実なものですが、工夫次第で「続けられる道」は必ずあります。
目の前の仕事をこなしながら、未来への種まきを忘れないこと。
これが、音楽家として生き抜くための大切な考え方です。
まー、ここまで大上段から色々書きましたが、他にも数えきれないほどの手段がありますし、僕みたいなもんがあまりあれこれ断定的に書くのも違うよなーと思うので、これをお読みになった上で、役に立ちそうなことだけ、ご自身の活動に取り入れて頂けたら幸いです。
というわけで、今回はこのへんで。
また次回にー。
4.4現在開催中の、ロエベの大規模な展示にて。
あ、あと2025.4.9に新しいアルバムを出します。
ではー。