「この曲の、この裏拍がいいよね!」「裏拍でリズムにノッてみよう!」
こんな会話、聞いたことがないですか?
「裏拍」と聞くとたいていの方は
なんだか難しそう・・・。
プロができるもので自分には無理・・・。
そう思ってしまいます。
しかし裏拍は、コツと仕組みを知るだけで簡単に感覚をつかんでいけます。
ここではなんとなく苦手だなと思ってしまいがちな裏拍の正しい仕組みとコツについて徹底解明していきます。
裏拍とは?リズム感アップに必要な「裏拍」の正体
裏拍はリズム感アップに欠かせないといわれています。
それではなぜ裏拍はリズム感アップに欠かせないのか。
まずは「裏拍」という言葉の定義から掘り下げていきましょう
裏拍とは聞こえていない細かいリズムのこと
裏拍とは、言葉の通り「表にある拍の裏」になります。
では表にある拍とはなにか?
いわゆるオンビートといわれるものです。
例えば1・2・3・4のリズムがあり、それをすべて「タカ」という言葉で置き換えてあげます。
つまり
1・2・3・4
→タカ・タカ・タカ・タカ
という形です。
このとき「タ」にあたるのが表拍、「カ」にあたるのが裏拍です。
より専門的なアプローチで表現すると、メトロノームのテンポの音を2倍してあげて、偶数倍のタイミングで音を鳴らしてあげるとすべて裏拍になります。
例えばBPM120のものは240BPMにしてメトロノームを鳴らしてあげて、2、4、6、8・・・の偶数倍のタイミングで強拍(心理的に強く音を鳴らす感覚)を意識してあげると、まさに裏拍がとれているということになります。
抑揚や表現力がつくリズム
裏拍がとれるようになっていくと、抑揚などが作りやすくなってきます。
例えば<①・②・③・④>のリズムでカエルの歌を歌うと「かーえーるーのー」という歌い方になりますが<①裏②裏③裏④裏>といった形で間に裏拍を意識して歌うと「かぁえぇるぅのぉ」という風に、歌い方のリズムが細かくなってきます。
これがまさに抑揚やグルーブの正体です
ビブラートなども基本的にはこういった細かいリズムから生まれてきます。
裏拍=細かいリズムを知ることで表現の幅が広がるということですね
洋楽に特に多いリズムの取り方
実はこの裏拍というのは洋楽に特に多いリズムの取り方といわれています。
裏拍は特に黒人音楽がルーツのリズムの取り方ですが、黒人音楽というのはいまの海外のメジャーシーンの音楽のかなりの規模で影響力を及ぼしています。
聖歌やゴスペル、ブルースなどのブラックミュージック、それと西洋のクラシックやカリブ海の音楽と融合し生まれたジャズ、ブルースから派生したロックミュージック、ファンクやディスコミュージックの文脈で生まれたHipHopミュージックなど
あらゆる音楽でこの黒人音楽のリズムの取り方がとられ、どんどん洗練されていっています。
日本のロックやヒップホップシーンもこういったリズムの取り方とは無関係ではないので、特に楽器を演奏するときなどにこの「裏拍」の感覚があればすんなりと演奏することができたりします。
裏拍で表現豊かに歌いたい方はこちら!日本人に裏拍が難しい理由
裏拍の感覚がよくわからない、自分はセンスがないんじゃないか・・・。
そんなこと思わなくて大丈夫です。
裏拍の感覚は日本人にはもともと馴染みにくいといわれています。
ここでは日本人に裏拍が取りづらい理由から、実際に裏拍の感覚を掴むヒントをさぐっていきましょう。
日本語にないリズム感だから
先にあげたように、裏拍は特に黒人音楽などに色濃いリズムの撮り方です。
西洋のクラシックや日本の民謡の多くは表拍です。
ただクラシック音楽に関しては「強拍」(特定の拍を強くする)などの概念もあり、若干裏拍のような効果を表すことがあります。
しかしもともと日本語はほぼすべての言葉に母音があり、強拍をすべての言葉で行いやすかったりします。
そういった言語的背景もあり、曲が平坦になりやすいです。
これは楽曲の優劣ではなく言語からくる音楽観の違いです。
文化的背景(雅楽、せーの)
「せーの」といったあと、あなたはどのタイミングで手をパンとたたきますか?
日本人同士だと一発で合うかと思いますが、これは実はなかなか難しいことをしています。
このようにアメリカ出身のアイクさんは中々あわせることができません。
これは日常的なリズムと音の取り方の違いに理由があるといえるかもしれません。
日本語は1音にはっきりとした母音があり、ひとことずつ強拍を設定できます。
しかし英語など海外の言語では強拍をいくつかの言葉がつらなりながら、その中に強拍を混ぜることがおおいです。
「せーのー(パン)」ととらえているか、「seno」と捉えているかで、リズム感が変わってくるということでしょう。
こういったことが影響を与えているかどうかは定かではありませんが、例えば日本の伝統音楽の雅楽なども西洋的なリズムの概念からは離れています。
特にきまった楽譜があるわけではなく、各々が他の楽器との調和を気にしながら演奏するのです。
こういった昔からのリズムや音の概念がブラックミュージックを起源とする洋楽とは違うため、「裏拍」が取りづらいというのは筋の通った考え方かもしれません。
学校で習う楽曲の殆どが表拍だから
加えて日本の教育現場で習う楽曲の多くは表拍です。
例えば「君が代」や「かえるのうた」などもそうです。
厳密に言えばこれらの楽曲は裏拍を強調して歌うこともできますが、雰囲気が大きくかわってしまいます。
このため楽曲を把握するときに裏拍を意識することが自然にすくなくなってきます。
日本のポピュラー音楽にはもちろん裏拍のものがたくさんあります。
例えば坂本九の「上を向いて歩こう」。
こちらは海外でも「SUKIYAKI」の名前で大ヒットしましたが、こういった裏拍で演奏する昔の曲は少なく、表拍のリズム感ばかり鍛えられてしまうことが多いです。
裏拍を使って楽器を演奏したい方はこちら!裏拍をとるトレーニング
それではいよいよ実際のトレーニングにはいっていきましょう。
パッドを使ったりするトレーニングなども有効ですが、まずは身体を使ってリズム感を養っていくことが大事です。
だれにでもできるトレーニングなので、ぜひやってみてください。
シンプルな表拍のリズムの練習
まずは裏拍の前に、しっかりとリズムを撮れるようになっていきましょう。
4分音符、8分音符など、慣れ親しんだ4拍子だけでなく、3連付など独特なリズムの取り方などもあります。
まずはゆっくりでいいので手でたたきながらリズムをとっていってあげます。
「難しい!」と思う方、大丈夫です。
それは自分が思っているよりもテンポが早いということなので、YouTubeの再生スピードを落としてあげましょう。
落とした状態で手拍子があうようになったら、次第にスピードをあげていきます。
1日にいっきにあげるのではなく、毎日5分でいいので繰り返してあげるようにしましょう。
裏拍を叩く練習
次に裏拍を意識する練習です。
こちらでは「と」で裏を感じるようにできています。
その他「タカタカ」の「カ」などでも良いですし、しっかり裏拍を言葉に合わせて感じられるようにしていきましょう。
まずは手拍子で裏拍を叩く練習
その後手拍子をなくして言葉だけ
の流れで次第に補助がなくても感じられるようにしてあげます。
コツとしては膝や足踏みなどで身体を使ってリズムを感じられるようにしてあげると上達が早まります。
焦らずじっくりといきましょう。
2拍3連(上級)
こちらは上級編です。
上記のリズムなどで理解が進んだらドラムの練習をしてあげるとよりリズムを奏でながらたのしく練習をすることができます。
しかし先程行った通り、深いリズムを理解するためには黒人特有のリズム感を理解することが必要です。
こういった2拍の中に3連付があるような、立体的なリズムを感じることがとても大事です。
特にドラムが複雑になっていくほどこういった細かいリズムの基礎概念が大事になってくるので、この動画にあるようにまずは左手で2拍、それと同じタイミングで右手3連符を叩ける(または指パッチンできる)ように練習していきましょう。
最初はかなりゆっくり練習することをおすすめします。
Q&A
裏拍について学んでいると、多くの方が同じところでつまずきます。
ここではレッスンでも特によく聞かれる質問をQ&A形式でまとめてみました。
Q1. 裏拍を意識すると逆にリズムがズレてしまいます…
最初は「意識しすぎ」が原因でズレることがとても多いです。裏拍は表拍の延長線上にあります。まずは表拍を身体で安定させ、足踏みや膝で表拍を感じたまま、手だけ裏拍を意識してみましょう。分離して練習すると感覚が整理されてきます。
Q2. 裏拍を取ると走って聞こえるのはなぜですか?
裏拍を「早く入れなきゃ」と思うと、音が前のめりになりやすいです。裏拍は早く鳴らすものではなく、表拍と表拍の“ちょうど真ん中”に置く感覚が大切です。メトロノームを細かく刻んで練習すると、走り癖は自然と改善されます。
Q3. 歌でも裏拍は必要ですか?楽器だけの話では?
歌でも裏拍は非常に重要です。むしろ歌の抑揚やノリは裏拍から生まれます。言葉の母音を裏拍側に少し引っ張るだけで、グルーブ感が一気に増します。カラオケで「なんか平坦」と感じる場合、裏拍の意識不足が原因なことも多いです。
Q4. 裏拍はセンスがないとできませんか?
センスではありません。裏拍は「身体の慣れ」です。日本人は表拍中心の音楽に長く触れてきたため、最初は違和感があって当然です。毎日数分でも裏拍を感じる練習を続けることで、必ず身体に馴染んでいきます。できないのは才能不足ではありません。
Q5. どれくらい練習すれば裏拍が身につきますか?
個人差はありますが、毎日5分〜10分の練習を2〜3週間続けると「なんとなく分かる」感覚が出てきます。そこから1〜2ヶ月ほどで、無意識でも裏拍を感じられるようになります。短時間でも継続することが、何よりの近道です。
まとめ
裏拍は難しいテクニックではなく、「リズムを細かく感じる力」です。
仕組みを理解し、身体で表拍と裏拍を分けて感じられるようになると、歌や演奏のノリは一気に変わります。
焦らず、毎日の小さな積み重ねで、自然なグルーブを身につけていきましょう。
裏拍を使って楽器を演奏したい方はこちら!