こんにちは、ZIG ZAG MUSIC SCHOOLです!
裏声は一応出せるけれど、細くてすぐにかすれてしまう。
カラオケで裏声のパートになると、自分の声だけ伴奏に埋もれて聞こえなくなる。
「裏声を鍛えたい」と思っても、何をどれくらい練習すればいいのか分からず、困っていませんか?
私自身も、もともと裏声に強い苦手意識があり、思い切ってボイストレーニングに通い始めた一人です。
この記事では、そこで教わって実際に続けた練習をもとに、初心者でも自宅でできる裏声の鍛え方を、具体的な回数や確認方法つきの4つのステップでお伝えします。

裏声は「閉じる力」と「伸ばす力」を鍛えれば強くなる
結論からお伝えすると、裏声を鍛えるには、声のもとになる「声帯」を閉じて息漏れを減らすことと、声帯を引き伸ばして高い音を出す動きを身につけることが大切です。
裏声が弱い人には、大きく分けて2つの傾向があります。
1つ目は、裏声を出した時に「スー」という息の音が声と一緒に聞こえ、声が細く小さくなってしまうタイプです。
自分の裏声をスマートフォンで録音して聞いた時に、声と一緒に息の音がはっきり聞こえる場合は、このタイプに当てはまる可能性があります。
これは、声帯の間から息が多く漏れている可能性があります。
2つ目は、裏声で音程を上げていく途中で声が途切れたり、急にかすれたり、狙った高さまで声を保てなくなったりするタイプです。
こちらは、高い音に合わせて声帯を引き伸ばす動きが安定していない可能性があります。
この2つをそれぞれ練習していくことで、息漏れの少ない裏声を保ちながら音程を上下させたり、声の大きさを変えたりしやすくなります。
その結果、歌の中でも裏声が伴奏に埋もれにくくなり、高い音まで声を途切れさせずにつなげやすくなっていきます。
この記事では、ストロー練習で息漏れの少ない裏声を作り、サイレン練習で裏声のまま音程を上下させる動きを身につけ、最後に音量の練習で裏声の強弱をコントロールしていきます。
3つの練習を合わせて、1日約12分です。
そして、練習を始める前に、今出せる裏声の高さや状態を記録します。練習前と後を比べることで、「なんとなく出しやすくなった」という感覚だけではなく、自分の変化を確認できるようにしていきましょう。
ZIG ZAG MUSIC SCHOOLの「ボーカルレッスン」でいい歌声を作ろう!
裏声の鍛え方【1日12分の4ステップ】
用意するものは、飲み物用の普通のストロー1本(太さ6ミリ前後)と、録音ができるスマートフォン、そして声の高さを画面で見られるアプリです。
アプリは、Vocal Pitch Monitor(iPhone版は300円の有料アプリで、Android版は「ボーカル音程モニター」という名前で表示されます)がおすすめです。
自分の声の高さがリアルタイムで線グラフになるので、裏声が途切れた瞬間や、どこまで高い音が出たかを目で確認できます。
練習は、ステップ1の記録を初日と7日ごとに行い、ステップ2〜4を毎日続けてください。
ステップ1. 今の裏声を「3つの数字」で記録する(初日と7日ごと・3分)
【このステップの目的】
最初に行うのは、今の裏声が「どのくらい長く続くか」「どこまで高く出せるか」「どこまで低く保てるか」を記録することです。
最初の状態を残しておくことで、練習を続けたあとに、感覚だけに頼らず裏声の変化を確認できます。
【具体的な確認方法】
まず、地声で「あー」と話し声くらいの高さから5秒かけて音を上げ、声がガクッと裏返る音をアプリで確認します。
この音を「切り替わり地点」と呼び、ここから白い鍵盤3つ分上の音を、あなたの「練習の音」に決めましょう。
続けて、次の3つを測ってメモします。
・1つ目は、練習の音を裏声の「うー」で、普段の会話くらいの音量で伸ばし、声が揺れたり途切れたりするまでの秒数です。
・2つ目は、裏声の「うー」で練習の音から上へ音を上げていき、アプリの線が途切れずに出せた一番高い音です。
・3つ目は、反対に下へ音を下げていき、裏声のまま線が途切れずに出せた一番低い音です。
【記録できているかどうかの判断基準】
日付・裏声を伸ばせた秒数・一番高い音・一番低い音の4つをスマートフォンのメモに残せたら完了です。
7日ごとに同じ時間帯・同じ方法で測り直し、秒数が長くなる、最高音が上がる、裏声のまま出せる低音が広がる、といった変化があるか確認しましょう。
この変化が積み重なるほど、実際の歌でも長い裏声のフレーズや音程差のあるメロディーを安定して歌いやすくなります。
ステップ2. ストローで「うー」と鳴らし、息漏れの少ない裏声を作る(4分)
【この練習の目的】
この練習では、裏声を出したときに声帯の間から漏れる息を減らし、少ない息でも声を安定して鳴らせる状態を作ります。
ストローを使うと口の中に適度な圧力が生まれ、声帯が強くぶつからなくても振動しやすい状態になります。
この状態で裏声を繰り返すことで、息を大量に吐いて声を作るクセを減らし、息を声の振動へ効率よく変える感覚を身につけやすくなります。
その結果、歌の中でも「スー」という息の音が少ない、芯のある裏声を保ちやすくなります。
【具体的な練習方法】
ストローの先を1センチほどくわえ、唇ですき間なく包みます。
その状態で、ステップ1で決めた練習の音を裏声の「うー」で5秒間鳴らします。
音量は、隣の部屋には聞こえない程度で行います。
これを5回行ったら、次はストローをくわえたまま、5秒かけて低い音から高い音へ上がり、同じように下がる「サイレン」を5回行います。
【できているかどうかの判断基準】
ストローの反対側の先に手のひらをかざしてください。
5秒間、手のひらに当たる息の強さが途中で大きく変わらず、「うー」の音も途切れずに続いていれば成功です。
さらに録音した声を確認したとき、ストローを外して裏声を出しても「スー」という息の音が以前より目立たなくなっていれば、息を声の振動へ変えやすくなっています。
この状態が安定すると、裏声を長く伸ばすフレーズでも途中で息が足りなくなりにくく、伴奏の中でも声の輪郭を保ちやすくなります。
ステップ3. 裏声のサイレンで、高い音までなめらかにつなげる(4分)
【この練習の目的】
この練習では、高い音に合わせて声帯を引き伸ばす動きを使いながら、裏声のまま音程を上下できる状態を作ります。
声帯を引き伸ばす動きが安定すると、高音になるたびに喉へ余計な力を加える必要が減り、薄い声帯の状態を保ったまま音程を上げやすくなります。
この動きは、裏声の音域を広げるだけでなく、地声から高音へ向かうときにも重要です。
高音で地声の厚さを保ったまま押し上げるクセを減らし、声帯を薄く引き伸ばす方向へ移行しやすくなるため、地声と裏声の中間をなめらかにつなぐミックスボイスの土台にもつながります。
【具体的な練習方法】
ストローを外し、口を縦に指1本分開けて、裏声の「うー」で行います。
切り替わり地点からスタートし、3秒かけてステップ1で記録した一番高い音まで上がり、3秒かけて元の高さへ下ります。
これを8回くり返しましょう。
【できているかどうかの判断基準】
アプリの画面を確認しながら行います。
低い音から最高音までアプリの線が途中で切れず、上昇から下降まで1本のなめらかな山として表示されれば成功です。
7日ごとの記録で同じ形を保ったまま一番高い音まで出せるようになったら、上がる目標を白い鍵盤1つ分高くします。
声が途中で途切れたり、喉に痛みが出たりした場合は、目標を白い鍵盤2つ分下げて行います。
この音程移動が安定してくると、実際の歌でも高音へ向かう途中で声が急にひっくり返ったり、喉に力を入れて音を押し上げたりする場面を減らしやすくなります。
ステップ4. 「小さく→大きく→小さく」で、裏声を通る声に鍛える(4分)
【この練習の目的】
この練習では、裏声の音程を保ったまま音量を変えられるようにします。
裏声を大きくしようとすると、声帯を強く閉じすぎて地声へ切り替わったり、反対に息だけを増やして声がかすれたりしやすくなります。
音程を保ったまま小さい声から大きい声へ移動することで、声帯を引き伸ばした状態と、息漏れを抑える閉じ方を同時に調整する練習になります。
この2つを一緒に調整できるようになると、裏声特有の軽さを残したまま声に芯を加えられるため、歌の中でも伴奏に埋もれにくい「通る裏声」へつながります。
【具体的な練習方法】
ステップ1で決めた練習の音を、裏声の「おー」で8秒間伸ばします。
最初の2秒は、隣にいる人へ静かに話しかけるくらいの音量で始めます。
次の3秒で、1メートル先の人に声を届けるくらいまで音量を上げます。
最後の3秒で、最初の音量まで戻します。
これを5回行い、そのうち1回を、スマートフォンを口から50センチ離して録音しましょう。
【できているかどうかの判断基準】
音量を上げても地声へ急に切り替わらず、アプリ上の音程が同じ高さを保ったまま8秒間続けば成功です。
録音も確認し、一番大きくした部分で「スー」という息の音が急に増えていなければ、裏声の状態を保ったまま声量を上げられています。
この状態が安定すると、実際の歌でも裏声のフレーズだけ急に音量が下がることが減り、地声との音量差も小さくしやすくなります。

なぜこの方法で裏声が鍛えられるのか?声の仕組みから解説
声は、喉の奥にある声帯という2枚の小さなひだが、息を受けて細かく振動することで生まれます。
声を高くするときには、輪状甲状筋(りんじょうこうじょうきん)などが働き、声帯を引き伸ばして薄くする方向へ調整します。
裏声では声帯が薄く振動するため、声帯の間から息が漏れやすくなります。
息が多く漏れると、声にならなかった息が「スー」という雑音として聞こえ、裏声が細く弱くなります。
さらに、同じフレーズを歌うために多くの息が必要になるので、裏声を長く伸ばしにくくなります。
ステップ2のストロー練習では、口の出口を細くすることで、声を出したときの圧力が口側から声帯へ返ってきます。
この圧力によって声帯が振動しやすい環境が作られるため、強い息を送り続けなくても声を鳴らしやすくなります。
つまりストロー練習を繰り返すことで、必要以上に息を漏らさず、声帯を効率よく振動させる感覚を身につけやすくなります。
その結果、裏声の息っぽさが減り、同じ息の量でも長く、輪郭のある声を出しやすくなるのです。
ステップ3のサイレンでは、音程を上げるにつれて声帯を引き伸ばし、下げるにつれて元へ戻す動きを連続して行います。
この動きを繰り返すことで、高い音でも声帯を薄く引き伸ばした状態を保ちやすくなります。
この調整は、高音を歌うときにも重要です。
高い音へ向かうにつれて声帯を薄くする動きが使えるようになると、地声の厚い状態のまま高音を押し上げる必要が減り、地声から裏声側へ声帯の状態を段階的に変化させやすくなります。
そのため、裏声のサイレンは単に「高い裏声を出す練習」ではなく、地声と裏声の間で声帯の厚さや張り方を調整するための土台にもなります。
この調整が安定することが、地声と裏声をなめらかにつなぐミックスボイスにつながっていきます。
ステップ4では、さらに音量という要素を加えます。
声を大きくするときには、声帯の閉じ方や息の圧力も変化します。
裏声の状態を保ったまま音量を上げるには、高音を作るための「声帯を引き伸ばす調整」を維持しながら、息漏れを抑えるための「声帯を閉じる調整」も同時に行う必要があります。
このバランスが崩れると、声が地声側へ急に切り替わったり、息だけが増えて裏声がかすれたりします。
小さい裏声から大きい裏声まで同じ音程と声の状態を保てるようになることで、「高さ」「声帯の閉じ方」「息の量」を同時に調整する力が身につきます。
その結果、実際の歌でも高音の裏声を弱く逃がすだけでなく、必要な場所では芯のある声として使いやすくなります。

裏声が苦手だった私が、ボイトレで裏声を鍛えて変わったこと
ここで、私自身の話をさせてください。
私はもともと裏声に強い苦手意識があり、高い音になると声がかすれたり、急に小さくなったりするのが悩みでした。
好きな曲を歌っていても、裏声のパートが近づくと緊張して、声を出すのをためらってしまうほどでした。
このままではいけないと思い、思い切ってボイストレーニングに通うことにしました。
そこで講師に教わったのが、この記事で紹介したような、裏声を出すための練習方法です。
最初は「こんな地味な練習で本当に変わるの?」と半信半疑でした。
特にストロー練習は、音も小さく、歌の練習をしている実感がほとんどありません。
それでも、教わったとおりに毎日続けているうちに、少しずつ変化が出てきました。
裏声を伸ばしても途中で息が足りなくなることが減り、録音を聴くと、以前は混ざっていた「スー」という息の音が小さくなっていたのです。
継続して練習した結果、以前よりも裏声が綺麗に、そしてまっすぐ通るようになりました。
何よりうれしかったのは、裏声のパートで自信を持って歌えるようになったことです。
振り返って感じるのは、裏声は「鍛え方」を知って続けることで、少しずつ使いやすくしていける声だということです。
ZIG ZAG MUSIC SCHOOLのレッスンでも、「裏声は出るけれど細くて聞こえない」という相談はとても多く寄せられます。
ただ、息が多く漏れているのか、高音へ向かうときに力んでいるのかは、自分の耳だけでは判断しにくいことがあります。
講師に直接聴いてもらうことで、自分の裏声に必要な練習が分かり、より効率よく取り組めます。
ZIG ZAG MUSIC SCHOOLの「ボーカルレッスン」でいい歌声を作ろう!よくある質問
Q. 裏声ばかり鍛えると、地声が弱くなりませんか?
A. 裏声の練習だけで地声が弱くなるとは限りません。
高い音へ向かうときには、裏声でも地声でも声帯を引き伸ばして薄くしていく調整が関わります。
裏声でこの動きを練習しておくことで、高音になるほど地声を強く押し上げる歌い方を減らしやすくなります。
そのため、裏声を安定させる練習は、地声と裏声の間で声帯の状態を調整しながら歌うミックスボイスの土台作りにもつながります。
Q. 家で大きな声を出せないのですが、どうすればいいですか?
A. その場合は、ステップ2のストロー練習を中心に行ってください。
ストロー練習は小さい音量でも行えるため、集合住宅などでも取り組みやすい練習です。
ステップ4の音量の練習は、カラオケなど声量を上げられる場所で行いましょう。
Q. 練習中に喉が痛くなったり、イガイガしたりします。
A. 痛みやイガイガを感じたら、その日の練習は終了し、水分を取って喉を休めてください。
再開するときは、目標の音を白い鍵盤2つ分下げ、会話程度の音量から始めましょう。
痛みのない範囲で声を出せる高さまで戻してから、再び少しずつ音域を広げていきます。
声のかすれなどの症状が長く続く場合は、練習を休み、耳鼻咽喉科などの医療機関へ相談してください。
Q. 4週間続けても、記録の数字があまり伸びません。
A. まずは、測る時間帯や音量が毎回大きく変わっていないか確認してください。
測定条件が変わると数字も変化するため、できるだけ同じ時間帯・同じ音量で比較すると、練習による変化を判断しやすくなります。
それでも変化が見られない場合は、息の使い方や高音での力みなど、自分では気づきにくいクセが影響している可能性があります。
その場合は、一度プロに声を聴いてもらい、現在の発声を確認してもらうのがおすすめです。

まとめ:裏声は、正しい鍛え方と記録で着実に強くなる
裏声を鍛えるポイントは、息漏れを減らして声帯を効率よく振動させることと、高音に合わせて声帯を引き伸ばす動きを安定させることです。
まず今の裏声を3つの数字で記録し、ストロー練習、裏声のサイレン、「小さく→大きく→小さく」の音量練習を続けていきましょう。
ストロー練習では息漏れの少ない裏声を作り、サイレンでは高い音まで声帯の状態をなめらかに変える練習を行い、最後の音量練習ではその2つを同時に調整していきます。
それぞれの練習がつながることで、「裏声を出せる」状態から、「高い音までつなげられる」「音量を変えても保てる」「歌の中で通る裏声として使える」状態へ少しずつ近づいていきます。
7日ごとに数字を測り直すことで、自分の裏声の変化を感覚だけに頼らず確認できます。
私自身も、苦手だった裏声が、教わった練習を続けたことで綺麗に通るようになりました。
ただ、息漏れ、高音での力み、地声と裏声の切り替わり方などは、一人ひとり違います。
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