こんにちは!ZigZag Music Schoolです。
これまでボイストレーニングに関する記事を幾つか投稿させていただきました。その中で、上達への近道は正しい練習方法で継続することが重要とお話してきました。そして、今回は正しい練習方法とは具体的にどういったものかについて詳しく触れていこうと思います。
スキルが高い方は練習上手です。
普段の練習より良いものとし、今後のあなたの活動へ役立ててくださいね。
発声練習を行う目的と効果
なぜ発声トレーニングを行うのか、発声をする際、身体のどのような部分を使っているのかを各項目ごとに紹介していきます。
声を安定させるため
ボイトレの発声練習は、音を正確に保つスキルや表現力、歌唱力を向上させるために行い、声帯や呼吸筋の強化や発声の安定性を高めることで、それを可能にしていくことが狙いとなっています。
また、声の質を上げたり、滑舌を良くしたり、長時間歌っても疲れにくくしたりする効果も期待できます。
そして、発声は身体の筋肉の質に作用されるため、血流を良くしたり、練習を重ねて筋肉を動かしやすい状態にしていくことで、大きく太い声を出すことができ、反対にこれを怠ってしまうと、喉が閉まって声を出しにくくなり、喉を痛めたり、声が響かないといったことに繋がってしまいます。
つまり、発声練習とは歌唱力を上げるための基礎であり、ボイトレにおいて全ての基盤であるということなのです。
声量アップや滑舌改善が期待できる
声量を上げるには、呼吸法や喉の筋肉のトレーニング、口周りの筋肉のトレーニングが効果的です。
代表的なものとしては、喉仏を上げて地声を出すトレーニングをすることで声帯を閉じる筋肉を鍛える方法です。
また、あくびをするように喉を広げ、その状態で舌を出すストレッチや喉仏の2~3センチ上に親指を当て、グリグリと動かす舌のストレッチも効果的です。
歌やスピーチで自信を持てるようになる
歌やスピーチ、その他にも人前に立って何かを発表するといった機会があるかと思います。そんな時、自分に自信が持てなくて不安という方は、事前にどのような処置をしていけば良いと思いますか?
まず大前提として、しっかりと準備期間や練習時間を設ける必要があります。
何回も反復練習をし、苦手な部分や不安要素を無くすようにしましょう。これらがある状態で本番に臨んでしまうと、それにばかり意識がいってしまい単純なミスが増えてしまう原因に繋がってしまいます。
繰り返し練習することで、不安要素を無くすことができたら次は友人や家族の前で発表してみましょう。一人で練習するよりも、本番に近いシチュエーションで練習することで、練習と本番のギャップの幅を縮めることができます。
また、リスナーである第三者との意見交換や感想を聞くことで自分では気が付かなかった欠点を補填することができ、強みも理解できるため自信がつきます。
そして、何より1番大切なことは、完璧にやろうとはせずに場数を踏んでいくことで、普段のパフォーマンスに段々と近づけ、それを引き出していくことです。
発声練習の基本的な流れ
発声練習には欠かせないストレッチ、エクササイズ、腹式呼吸、ロングトーンなど、これらの流れや練習方法を簡単なステップに分けて紹介していきます。
ストレッチや姿勢のチェックから始める
声が出やすくなる体の準備運動
発声する前の効果的なウォーミングアップには、首のストレッチ、表情筋のストレッチ、舌根のストレッチ、肩まわりのストレッチなどが挙げられます。
首のストレッチ
- 首を前後左右にそれぞれ30秒ほど傾け、手の平で頭を軽く引っ張る。
- ゆっくりと首を時計回り、逆回りでゆっくりと動かす。
表情筋のストレッチ
首の筋が浮き出るように顔を大きく動かし笑顔を作るようにします。次に顔のパーツを中心に集めるように寄せます。
舌根のストレッチ
- 舌を目一杯出して奥の方を伸ばします。
- あくびをするような感覚で大きな口を開きます。
肩まわりのストレッチ
- 肩に手を当てて、肘を前から後ろへ回す。(反対方向にも回す)
- 両手を伸ばして片方の手首を掴み、そのまま横へ体を倒しながら引っ張る。(反対側も同様に行う)
- 後で手を組んで、腕を上に伸ばしながら胸を張る。
正しい姿勢を作るための簡単なエクササイズ
- 正しい姿勢を保つには、背筋を伸ばし、骨盤を立て、頭上から土踏まずまでを一直線にするのがポイントです。
- 顎を引いて、腹筋に力を入れて背筋を伸ばす。この時、体重は両足にかけるようにします。
- 胸を張り、肩甲骨を骨盤に降ろし、頭頂部から耳、肩、腰、膝、土踏まずが一直線になるようにする。
下腹を引っ込めて、胸を少し高めに起こすのがポイントです。
呼吸法を取り入れる準備段階
腹式呼吸の基本を学ぶ
発声の基礎となる腹式発声を身に付けるためには、まず始めに腹式呼吸の感覚を掴みましょう。簡単な練習方法を記載しましたので、一項目ずつ確認しながら行ってみてください。
【腹式呼吸】
- 背筋を伸ばして鼻からゆっくりと息を吸い込みます。
- 息を吸う時にお腹を膨らませて、吐く時にお腹をへこませます。
- 口からゆっくりと息を吐き、吸う時の倍の時間をかけます。
感覚が上手く掴めないという方は、仰向けになって行ってみてください。
【腹式発声】
- 普段の声のトーンより高く、一音一音を印象的に強く発声します。
- 語尾を伸ばしたり、ダラダラとはさせず、跳ねるような発声にします。
- 息を吸ってお腹を膨らませ、「あ」「い」「う」「え」「お」、「ハ」「ハ」「ハ」など、言葉を発声した時に膨らんでいるお腹がさらに前に出る感覚を意識します。
力ませずリラックスした状態で行うようにしましょう。
体に感覚を覚えさせるまで何度も練習してみてください。
息を一定に保つ練習(ロングブレス法)
息を一定に保つには、腹式呼吸を意識して息を吸い、吐く息の量を一定にすることで効果が得られます。
また、ロングトーン、ドッグブレス、リップロールなどの練習もおすすめです。
息が続かないという多くの方に該当する事例としては、息をたくさん吸おうとしてしまったり、息を使い過ぎてしまっていたり、吐く息の量が少ないといったことに原因が見られます。
始めは、約30秒ほど息を吐き続けられるよう練習してみてください。
初心者でもできる基本の発声練習メニュー
ロングトーン、リップロール、スケール練習などの誰でも簡単に取り組む事ができる基本的な発声練習を簡単なステップごとに分けて紹介していきます。
母音「あ・い・う・え・お」のロングトーン練習
声を安定させるためのシンプルな発声法
ロングトーンの練習を習慣化することで、声のブレがなくなり、息を吐き続けられる体力も身に付けることができます。
腹式呼吸を使用して、吐く息を一定にすることが大切です。
- 出しやすい音で「あー」と声を出します。
- その音程をできるだけ長く伸ばします。この時、息のブレや音の響きなどをチェックします。
- 鍵盤などを使用して音程を変えて声を出せるようにします。
リップロールで声帯をリラックス
唇を震わせる練習で滑らかな発声を目指すボイトレ
リップロールは、口元や喉の奥をリラックスさせ、全身のリラックスにも効果的です。凝り固まった口元や喉の奥を開く作用があったり、深い呼吸を意識することで、自律神経が整いやすくなります。
喉にかかる負担を抑えることができ、唇や表情筋もリラックスします。
- 深呼吸をして身体全体をリラックスさせます。
- 唇を尖らせてアヒル口のようにし、腹式呼吸を行って鼻から息を吸い込み息を吐き出します。
- 息を吐きながらリップロールをし、唇を震わせできるだけ長く持続するようにしましょう。吐く息の量は一定に保つことにします。
音階練習で声域を広げる
ドレミの音階を滑らかに出す練習
ボイトレでスケール練習を行うことで、音が滑らかに上がって曲や音飛びが多い曲でも音程を取りやすくなります。これに加えて姿勢、発声、呼吸なども一緒に意識していきましょう。
5トーンスケールという練習がおすすめです。ドレミファソまでの5音を使い、音階を上ったり降ったりしていきます。
これに慣れてきたら、オクターブ間を行き来するオクターブスケールにチャレンジしてみたり、5トーンスケールに難を感じている方は音の数を減らし、2トーンスケールや3トーンスケールから練習してみてください。
中級者向けの発声練習方法
発声練習基礎が身に付いてきたら、ブレスコントロールや高音発声の練習を取り入れて、表現の幅をさらに広げていきましょう。
声量と息のコントロールを鍛える
フレーズを使ったブレスコントロール練習
ブレスコントロールの練習には、腹式呼吸やドッグブレス、ブレスの音だけで歌う練習などがあります。また、声の安定性や表現の幅が増え、息切れしにくいというメリットもあります。一つ一つの動作を確認しながら練習してみましょう。
ドッグブレスの練習
- 口を半開きにし、小刻みに息を吐きます。
- 息を吐ききったら、再度息を吸い小刻みに息を吐きます。これを30秒ほど繰り返します。
ブレス音だけで歌う練習
- 歯と歯の間からの息漏れのような「スー」という音を出します。
- 楽曲のメロディをその息漏れの音だけで歌うようにします。
高音発声のためのミックスボイス練習
無理なく声を出すための音域拡張トレーニング
ボイトレで音域を広げるためには、腹式呼吸や鼻腔共鳴などの呼吸法、声帯の伸展、ストレッチ、母音トレーニングなどが効果的です。
高音を無理なく出すためには、ファルセットの練習が欠かせません。ファルセットを使って音を少しずつ強くしながら胸声に近づけていくことで効果を得られます。
声帯を薄く、硬くすることでより高い音を出すことができる声帯トレーニングにも挑戦してください。
滑舌改善のための早口言葉練習
明瞭な発音を意識して行う基本トレーニング
早口言葉を練習することで滑舌や口の動きを改善することができます。
練習のコツとしては、1つ1つの音を意識して発音したり、口を大きく開けてはっきりと発音したり、意識的に舌を動かしてみましょう。
上級者向けの発声練習メニュー
これまでは、基本的な発声の練習をして歌声の強化にフォーカスを当ててきましたが、次の章では歌声の綺麗な聴かせ方を磨くための練習を紹介していきます。
強弱や感情表現を意識した歌唱練習
声の抑揚や間の取り方を磨く
強弱や感情表現を練習するには、歌詞や曲調、呼吸、発声などに意識を向けて練習をしていきましょう。
強弱の練習方法
- 母音を出しながら強弱を意識して発声する。
- 楽曲のアクセントを意識して歌う。
感情表現の練習方法
- 鏡のあるスタジオなどで表情を確認し、身振り手振りも加えて身体全体で感情を表現する。
- 呼吸の速さや深さをコントロールすることで感情を表現する。
例えば、喜びは浅く早い呼吸で高揚感を出し、悲しみは深くゆっくりとした呼吸で沈んだ気持ちを表現できます。シーンにあった呼吸法を意識していきましょう。
長時間発声でも疲れない声の使い方
声帯への負担を減らすためのボディバランス調整
長時間の練習は、疲労が蓄積して体調を崩してしまう原因や喉を痛めて歌えなくなるといったことを引き起こしてしまう可能性があります。喉は回復までに時間がかかるため、無理をせず適宜休憩を設けることを心がけましょう。
長時間発声しても疲れさせないためには、高音域でのロングトーン、フレーズごとにしっかり息を吸うことを意識してみてください。
音響効果を活用した響きの練習
自宅でもホール感覚を再現する練習法
お風呂はカラオケルームと構造が似ています。音が吸収されず響くようにも設計されているためです。自然なエコーもかかり喉の乾燥を防ぐこともできるため、歌いやすく喉を痛めずに済み、とても歌いやすい環境といえます。
そして、程よく湿度もあり、リラックス状態に入りやすいため、普段より声が出しやすいという利点もあります。
効果的に発声練習を行うためのポイント
歌声そのもののチェックも大切ですが、歌声を出すための身体、継続的な結果を得るために必要なマインドとも向き合って練習に活かしていきましょう。
録音や録画を活用して自分の声をチェック
今では、高価なレコーディング機材を揃えなくても、スマホ一台あれば簡単に録音、録画をすることができます。
自分が普段出している声と録音した声ではギャップがあり、違って聞こえることが多いです。そのため、セルフチェックを通して録音を普段の練習に紐付けるようにし、苦手なパートを克服したり、強みを理解することが大切です。
練習前後の体調管理を徹底する
ボーカルは自分の体が一番の資本になります。喉に違和感を感じた時や不調がある時は、無理をせず休養を取るようにしましょう。
喉を乾燥させないために加湿器やマスク、こまめにうがいをしたり、温かい飲み物を飲むなどをして常に潤った状態にしておくのが理想です。
アルコールや喫煙は、乾燥の原因になるため控えるようにしましょう。他にも食べ物によっては喉に負担をかけ、違和感を感じる方もいますので、徹底してケアしたいという方は、アレルギー検査も受けてみると良いでしょう。
毎日少しずつ継続する習慣を作る
練習は不定期に行うのではなく、短時間の練習だったとしてもルーティン化して取り組んでいく方が良い結果は得やすいです。
練習時間が空いてしまうと感覚を忘れてしまったり、筋肉の発達が遅れてしまったり、モチベーションが維持しにくいといった事例が挙げられます。
まずは、毎日できそうな練習を設定して、それが難なくこなせるようになってきたら練習時間や練習メニューを増やしてみましょう。
自宅で発声練習をする際の注意点
継続的な練習の実現に自宅でのトレーニングは欠かせませんが、次の注意点に気をつけながら演習を行っていきましょう。
声を出しすぎて喉を痛めないようにする
練習時間を多く取ることは大切ですが、無理な練習は避けて、休憩時間を設けることも注力しましょう。
ストレッチや喉のケアも練習外の時間で行い、喉のコンディションを整える習慣を身につけましょう。
防音対策をして周囲に配慮する
自宅での練習は騒音トラブルを招きやすいです。それを防ぐためには、吸音材を貼って対策することができます。もし、金銭面に余裕があれば、防音室の導入も考えてみて良いかもしれません。
歌い手のAdoさんは、自宅のクローゼットでレコーディングを行っているそうです。
正しい方法を意識して間違った癖をつけない
練習時間を多く費やしていても、正しい練習方法でなければ良い結果は得られません。
このような事態を避けるためにも、専門的な知識を持ったトレーナーから効果的な練習方法を学び、レッスンを早期から受けることをおすすめします。
発声練習ならZIGZAG MUSICスクールで!
当スクールでは、基礎とテクニックを分類してレッスンをしています。「良い声を出す」ための土台となるボイストレーニングと「上手く聞こえる歌い方」のトレーニングに分けて練習することで、楽しいから上手くなる、だから音楽がより好きになる」と考えています。
初心者でも安心の基礎トレーニングプラン
声の出し方や姿勢から丁寧に指導
まずは、しっかり声を出せるところから始めたいという方もマンツーマンレッスンで基礎から丁寧に指導いたします。
自分のイメージ通りの声が出ない、高い声や低い声が出しづらいなど具体的なお悩みを解決できるレッスンです。基本的な発声練習に加えて、ライブ前の発声練習や基礎トレーニング、喉のケア方法もお伝えいたします。
プロの講師によるマンツーマン指導
個々の課題に合わせた練習法を提案
カウンセリングを通してあなたのお悩みやレベルに合った独自のカリキュラムを構成していきます。不安や疑問を解消できるだけでなく、具体的なアドバイスであなたの魅力をより輝かせるサポートをしていきます。
オンラインでも受講可能な柔軟なレッスン体制
自宅からでもプロの指導を体験できる
レッスンを対面で行うか、オンラインで行うかを自由に選択することができます。スマホやパソコンがあればいつでもレッスンすることができます。
引っ越したけどレッスンは続けたいなど、状況に応じてオンラインレッスンも可能です。
まとめ:発声練習で声を磨こう!正しい練習が上達の鍵
これまで紹介してきた発声練習をただ単に取り組むだけでなく、身体のどこを使って自分は発声しているのか、またその練習での意識を試行錯誤していくことで、あなたの歌声はより良いものになっていきます。
もし、自分一人での練習に行き詰まってしまった場合は、当スクールへ足を運んでいただきあなたの悩みや疑問を経験豊富な講師陣にご相談ください。
発声練習は目的に合った方法を選ぶことが大切
目的によって練習内容や鍛えるべき箇所、意識することが変わってきます。自分がどのようなスキルを獲得したいのか、まずは理想のモデルを探し、そこから逆算をして練習内容を決定していきましょう。
自宅でも簡単に始められる基本メニューを取り入れよう
これまで紹介してきた腹式呼吸やブレスコントロール、リップロールなどはボイトレにおいて基礎的なトレーニングになります。
自宅でも練習できるものばかりですので、まずはこの中から1つ取り組んでみてはいかがでしょうか。
ZIGZAG MUSICスクールでプロのサポートを受けて、理想の声を手に入れよう!
当スクールでは、「楽しみながら上達すること」を大切にしています。まずは、発声練習を行って良い声を出せるようにボイストレーニングを行います。
発声、音程、リズム、ビブラートなどのテクニックを駆使して歌を上達させ、抽象的な表現は避け、具体的なトレーニング方法をお伝えします。