「声が小さいね」「もう少しはっきり喋って」と言われた経験はありませんか?
大きく出そうと思っても喉がいたくなったり、中々声が大きくならないものです。
でも大丈夫。しっかりと段階を踏めば、誰でも今よりも通る声を作ることができます。
これまで「自分は声が通らないタイプなんだ」とあきらめていた方も、正しいアプローチでいままでにない通る声を一緒につくっていきましょう!
魅力的な「通る声」とは
まず正しく声を出すためには、実際に上手く発声されている声について知ることが大事です。
声が出ていると「通る声だね」といわれますが、ここでは他人から魅力的に聞こえる「通る声」の特徴について見ていきましょう!
響いている
正しく通る声が出ているときには声がしっかりと「響いている」感覚があります。
これは力で音を押し上げているのとは真逆の感覚で、喉周りの力を使わずに出しているために自分が実際に使っている筋力よりも「大きな声が出ているな」という感覚になります。
遠くまで届く
通る声はがやがやしている町中や、お店の中でもしっかりと相手に自分の声を届かせることができます。
これは「響き」をしっかりとコントロールできているからですが、自分が思っている以上に遠くの人間まで話せることに気がつくと驚くかと思います。
オペラなど、マイクを使わない音楽表現が可能なのも、こういった特徴があるから成立するのですね。
うるさくない
通る声は「大きな声」とは違います。
大きな声はうるさいだけで耳障りが悪いなと感じることもありますが、通る声はどれだけ大きな声になっても不快感を感じることは少ないです。
これは正しく発声ができているとまろやかな音になるからであり、キンキンしたりモコモコしたりしている場合は、正しく声を出せているのかもう一度見直してみる必要があるかもしれません。
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声で印象アップ!正しく声を出すメリット
では、聞き取りやすく通る声を手に入れることで、どんなメリットがあるのでしょうか?
ここでは聞きやすい声を手に入れた後のメリットについて解説していきたいと思います。
第一印象がアップする
通る声が出せる人は仕事ができたり、はつらつとした印象を与えやすくなります。
どれだけ丁寧な言葉遣いでも、声が小さくこもっていたら自信なさげに聞こえてしまったり、「ちゃんと聞こえないから何度も聞き返す」というストレスにつながってしまったりしますが、
逆によく通る明るい声で話す人には、自然と注目が集まります。
声が通るだけで「堂々としている」「頼りがいがある」「なんとなく好き」といったポジティブな印象を抱いた経験もあるかと思います。
心理学的にも、人が受け取る印象の要素には視覚・聴覚が大きく関わっているとされています。
大きな通る声を手に入れたい方はこちら!プレゼンや発表で、聞き手の集中力を引きつけやすくなる
通る声は人を引き付けます。
これは遠くに届くという特徴と重なる部分もありますが、それだけ会場や会議室でしっかりと人の耳に印象付けることができるということです。
あなたもたくさんの人が代わる代わる発表や話す場面で、ハキハキとした人の言葉だけ印象に残った経験はあるのではないでしょうか?
歌を歌ったときに、感情やニュアンスがしっかり伝わるようになる
正しい声の出し方ができている人は、いわゆる「通る声」が出せるだけでなく、細やかな声の表現もできるようになっていきます。
これは呼吸や声帯などの一連の筋肉の使い方が上手くなるにしたがって細かい表現も可能になってくることからそうなります。
たとえばウィスパーやビブラートは繊細な歌の表現にかかせませんが、そういった微細な呼吸、響かせ方の技術も向上していきます。
声を使っても疲れにくい
「声が聞き取りやすい人」は、適切な息の量で発声することに慣れているため、そもそも声帯への負担が少なく、疲れづらいです。
長く話したり、長い時間歌っても喉が枯れないため、次の日になってもガラガラの声になっている・・・といったこともありません。

通る声の仕組みとコツ
それでは続いて、正しい声の出し方の仕組みについて理解したうえで、それを実践するためのコツを観ていきましょう)!
呼気圧✕声帯✕共鳴の3大要素
まずきれいな声が出る際には以下の3つの要素が大事になってきます。
<呼気圧>
息がしっかり出ていないと、どんなに発声を頑張っても声は弱々しくなります。
この呼気圧が、いわば“声のエンジン”です。
<声帯>
声帯筋のコントロール
声帯には「厚くする筋肉」と「伸ばす筋肉」があり、それらがバランスよく動くことで、声帯の閉じ方・張り方が変化します。
→ しっかり閉じたまま速く開閉することで、安定した強い音が生まれます。
<共鳴>
共鳴(口・鼻などの空間の使い方)
声は声帯だけでなく、口の中・鼻腔・頭部などを響かせることで増幅されます。
同じエネルギーでも、響かせ方で声の「抜け感」が大きく変わります。
この3つが連動することで、無理に張り上げずとも自然に通る声になるのです。
正しい声が出ているときの流れ
「よく通る声」というのは、肺→声帯→口という一連のルートをスムーズに空気が流れ、効率的に響きへ変換されている音です。
これがまさに<呼気圧>✕<声帯>✕<共鳴>という1連の流れになります。
これらが整うと、無理なく・自然に・クリアに届く声になるため、少ない力でも印象的な声を届けられるようになります。
正しく声を出すためのコツ
呼吸は腹式呼吸、声帯はまずは小さい声でもいいのでしっかりと地声がなっている状態をつくれること(エッジボイスなど)、その上で鼻腔共鳴や口腔共鳴などを足していってあげることが大事です。
いきなり高度な技や大きな声に挑戦してしまうと、それこそ喉を痛める原因になってしまいます。
まずは小さくてもいいのできれいな音で出せるようになるということを目指して通る声をつくっていきましょう。
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声量アップを目指す具体的な練習法
さてそれではいよいよ声を出すための実際のトレーニングにうつっていきましょう。
「通る声がでない」と悩んでいる方もこの練習を実践していくことで変化を実感することができるはずです!
どれも家で簡単にできるものなので、ぜひ今日から取り組んでみてください。
ブレストレーニングで息の支えを強化する
まず取り組みたいのは腹式呼吸の定着と、呼気の持続力を高めるブレストレーニングです。
声のエネルギーの源は「息」
腹式呼吸をしっかりできるといきをたくさん取り入れることができ、その息をしっかり支えられるかどうかで、声量にも大きな差が生まれます。
<腹式呼吸>
仰向けに寝て、お腹の上に本を置き、息を吸ってお腹をふくらませます。
これが腹式呼吸の状態。この呼吸を立った状態でもできるように意識していきましょう。
<ブレストレーニング>
ストローを口にくわえ、息をできるだけゆっくりと長く吐いていきます(20〜30秒目標)
あおむけでできるようになったら、立って同じことを行ってみましょう。
この練習を続けると、肺活量が増すのではなく、使える息の「質」が上がっていきます。
リップロールで無駄な力みをリセットする
声帯や喉に余計な力が入ってしまうと、声量はすぐに頭打ちになります。
そこで役立つのが、リップロールという練習法です。
これは唇を軽く閉じて、「プルルルル…」と震わせながら息を吐く発声法。
おふざけのようですが、発声の土台作りに非常に効果的です。
【基本のやり方】
- 唇を軽く閉じ、リラックスして息を吐く
- ブルブルと唇が震えるように、音程をつけてスライド(例:低音〜高音)
- うまくできない場合は、頬に指を添えて支えるとやりやすくなります
これを繰り返すことで、喉や首に力を入れずに「響き」だけで声が鳴る感覚が身についてきます。
リップロール中に「なんだか声が通る感覚がある」という変化に気づけたら、それは共鳴によって声が通りやすくなっている証拠です。
メッサ・ディ・ヴォーチェで声帯と息の連携を学ぶ
メッサ・ディ・ヴォーチェ(Messa di Voce)は、声楽の古典的トレーニング。
同じ音を伸ばしながら、弱 → 強 → 弱と音量を変化させていく練習です。
地味に見えて、実はかなり奥が深いメニュー。
なぜならこの1音に、息の支え・声帯の筋力・響きのバランス感覚のすべてが詰まっているからです。
【やり方の例】
- 「アー」のような母音をロングトーンで出す
- 最初は弱く、徐々に音量を上げ、また弱く戻す
- 喉を締めず、息のコントロールで強弱をつける
この練習を行うことで、声帯をしっかり閉じたまま、柔軟に音量をコントロールする力が養われます。
また、息の流れを保ったまま強弱をつけることができるようになると、大きな声でも喉を傷めずに出すことができるようになります。

まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、「声の出し方・声量アップ」をテーマに、聞き取りやすく印象に残る声を手に入れるための方法をご紹介してきました。
声量とは、ただ大声を張り上げることではなく、息・声帯・響きが連携することで生まれる「通る声」のこと。
そして、その通る声は練習次第で誰でも身につけることができます。
特別な才能や生まれつきの条件ではなく、正しい練習をコツコツと積み重ねること。
それだけで、日常会話でも、歌でも、「なんだか声がいいね」と思われる声に変わっていくのです。
「声が小さい」と悩んでいる方も、まずは今日から、1日5分の呼吸練習やリップロールを試してみてください!
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