吉祥寺のボイストレーニングスクール
ZIGZAG MUSIC SCHOOL

DTM教室コースのブログ

音を聞くということ #16

こんちは。

今回は、年に1回あるかないかの、真面目回といたします。

音楽を聞く上で、「音」を聞くと言う事の大切さを、とうとうと説いてきました。
一人でも、二人でも、「音」を聴く角度が変わった人がいることを願います。

しかし、音楽を構成する要素は、「音」だけじゃないですよね?

今回は、意外と詩人である安田が、歌詞ってやつの書き方について書いてみます。

歌詞の書き方

自分で言っても恥ずかしくともなんともないです。そんくらい真面目に書いてますからね。

こんな感じのことをおっしゃる生徒さんが多いです。
「書きたいことが思いつかない。」
「自分にはいい歌詞が書けない。」
「書きたいことはあるがどう書いていいかわからない。」

伝えたいことや書きたいことなんてとっくにない。って歌ってる人もいますよ?
いい歌詞かどうかを決めるのは自分かもしれないし、聞く人かもしれないですよ??
最初から音楽にしようとするから書けないんじゃないですか???

難しく考えてしまう人が多いようです。
でも本当は、歌詞を書くのって簡単なはずなんです。
この記事だって、メロディーが乗っかれば歌なわけで、曲の上で語ればポエトリーリーディングな訳で、形は違えど歌詞になります。
だから、どんなもんでも歌詞になるんです。

書きたい事があって、伝えたい事があって、ってとこまでは誰でも辿り着けると思います。
なかったら捏造したっていいんです。

あぁそういえば、今日の朝飯はなんだかすごく美味しかったなぁとか、
昼から雨なのに傘持ってくんの忘れちまったなぁとか、
明日は友達と遊びに行くから今日は仕事頑張れそうだなぁとか、
一年以上会えてないあの人は今何をしてんのかなぁとか、
宝くじ当たったからハッピーだなぁとか、
なんでも歌詞になるんです。

問題なのは、どう書くか。そこに尽きます。
もちろんそのままでもいいですよね。そのままの表現が最適解なことだってあります。
それでもやっぱ使えた方がいいのは、直喩、暗喩、諷喩(例え話)、活喩(擬人法)、倒置法、擬音語、体言止め。反復法、この辺りじゃないでしょうか?

歌詞の一節を用いて、意味を解説してみましょう



題/before the sunset
これはバンドを辞めてしまった友人に向けて書かれた曲です。辞めてしまったバンドマンを沈む太陽に例えています。
辞めることを信じたくなかったので、自分を、日没の後ではなく日没の前において、現実から目を逸らしたかった。という意味の題名です。

「手を振る僕の方が少しだけ悲しいのは 昨日の雨のせい」
解説:ヒーローが音楽を辞めてしまうと知った。この悲しさは誰のせいにもできなかった。だから僕は雨のせいにしてやり過ごす。

「さよならになった「またね。」の影法師 いつまでも追いかけた」
解説:また歌ってくれるだろう。そんなことはないって、分かってるのに諦められずにいた。

「戻れない場所は鈍色9月の空 隠れて隠した」
解説:これを書いていたのが9月。過去を曇天の向こう側に誰にも悟られず隠したかった。

「乗り遅れた17:00のバスが巻き上げた 夢を拾う」
解説:ここはなんでこうなったか覚えていないけど、なんかいい表現だなぁと思ってそのまま活用。聞く人がそれぞれの見解で意味を持たせて欲しいフレーズ。

「あの日の僕らは待っているのに いつまで経っても会えないままで」
解説:サビ部。サビはあまり例えないようにしている。まっすぐ真意を歌いたい。

「夕焼け空を待っていたのに いつまで経っても会えないまま まだ会えないまま まだ会えないままで」
解説:サビ後半。夕焼け空はそいつのこと。リフレインが好きなので多用しがち。

ってな感じで、歌詞を書く時は、下側(解説)から書いた方が、書きやすいんじゃないでしょうか?
そんな書き方をしたことはないんだけど。近しいことは頭の中でやっているような気がします。
メッセージのない音楽になんの魅力があんのかな?でも流行る曲って、大抵メッセージがないんだよな。
コンセプトはあってもメッセージがないよな?柄は綺麗だけど中身の入っていない箱みたいだ。
メロディーに落とし込んでいく時に、真意からなるべく逸れないように、着色しすぎないように、最善の注意を払いましょう。

言葉は盾で、音は槍。
自分の曲はいつだって、自分の味方をしてくれます。

だからこそ魂が宿る。それがカバーとオリジナルの埋められない差。

上手いカバーとへたっぴなオリジナルがあったとして、オリジナルがカバーに負けるわけがない。

いい音楽作りましょう。
出来るまで何があっても付き合います。

1700文字も書いちまった。もったいねぇ。

また。

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