仁に合った歌
こんにちは、Zigzagミュージックスクールの岡です!
今日は、「僕・私はどんな歌を書いたらいいですか?」というご質問に答えてみたいと思います。
まず結論から申し上げますと、「好きに書くとよいですよ!」となるんですが、それだけだとつまらないので、もう少し詳しく書いてみたいと思います。
厳密に言うと「好きに書く」というのでは説明が足りなくて、「仁に合ったものを書くと良いですよ」というお答えになります。
そもそも「仁」とはなにかと言うと、落語や歌舞伎の世界での、「役柄と個性のマッチング」を指します。
もう少しわかりやすく言いますと、根っから暗い人がいきなりめちゃくちゃ明るい楽曲を無理やり捻り出したり、その逆をするのは、もともとの気質とうまく噛み合っている人よりも、制作やパフォーマンスに困難が生じやすいんですよね。だって無理をしているから…
もちろん、苦手なことに挑戦して技術の幅を広げていく、という意識も大切なのですが、それはある程度曲作りに慣れた上で、横に広げていくのがいいと思います。
その方が単純に、やめたくなる頻度も減ります。笑
いやでも本当に冗談抜きで、残りの人生で音楽をたくさん作っていると、やめたくなる日なんて、どんなに順調でもザラにあるんですよ。
現代は少し調べれば「流行りや王道のコード進行はこれ!」とか、「〇〇というアーティストはこのメロディや楽器の使い方!」みたいのは沢山出るんですね。
これはこれで、他人の作り方を学べて有益ではあるんです。
ただ、それだけに終始していると、自分で曲作りをする時に、何を指針にしていったらいいのかわからなくなりますよね。
そこで大切なのが、「あなたはどんな人?何が好きなの?」ということなんですね。
ここで器用な人ほど、「今こういうのが流行っているから、必要とされそうだから、ウケそうだから」という理由で、優等生的な答えを出してしまうんですが、それだけだと今後が辛くなります。
必ず、「自分を主語にして」考えましょう。
何故かというと、流行のもの、売れているものだけを正解としていると、「自分の価値を他人に預けること」になるからです。ここ重要です。
もう一度言います。
流行のもの、売れているものだけを正解としていると、「自分の価値を他人に預けること」になります。
間違って欲しくないのは、流行のものや売れているものが間違っている、ということでは決してありません。
それらは時代に即した形で人の心を捉えているので、めちゃくちゃ良質な参考材料です。絶対に頭には入れて置いた方がいいんです。
けど、それら「だけ」を頼りに表面をなぞって歌を作っても、そこにあなたの主体性がなければ、存在する意味が薄いんです。
愛着の湧かない歌を何年も歌わされるほど、苦しいものはないです。それを防ぐために、今から自分を知る練習をしよう、ということなんですね。
ここまで、「仁に合ったものを書くためには自分を知らなければならない」ということを書きました。
「じゃあそれはどうやって知っていけばいいの?」ということになっていくと思います。
ひとまず第一段階目として、
「反発を覚えるもの、嫌いなものを10個ずつ」書きましょう。
「もの」じゃなくて「人」でも「事」でもいいです。
ここで一つ重要なのは、「倫理的に間違っていたり、誰かから嫌われそうなことでもちゃんと書き出す」ということです。
なにも誰かに発表しなさいとは言っていないので、自分だけが見られるノートやメモに、まずは書いてみてください。
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ひとまず今日はここまで。
また次回に!