ZIGZAG MUSIC SCHOOL
講師の高瀬です。
今月は声帯について、
特に重要な4つの筋肉
声帯の筋肉は、声を出すために重要な役割を果たす筋肉群で、主に以下の4つに分類されます。
1. 甲状披裂筋(こうじょうひれつきん, TA)
- 声帯の主な構成要素となる筋肉。
- 声帯を短縮・緊張させ、低音の発声に関与する。
- 内側の「声帯筋(Vocalis muscle)」が、細かい張力調節を行い、声質に影響を与える。
2. 輪状甲状筋(りんじょうこうじょうきん, CT)
- 声帯を伸長し、緊張させることで高音の発声を助ける。
- 特にファルセット(裏声)を出す際に重要な働きをする。
3. 後輪状披裂筋(こうりんじょうひれつきん, PCA)
- 声帯開大筋(声帯を開く筋肉)。
- 息を吸うときに声帯を開き、気道を確保する役割を持つ。
4. 側輪状披裂筋(そくりんじょうひれつきん, LCA)
- 声帯を閉じる働きをする筋肉。
- 側輪状披裂筋が部分的に閉じ、披裂筋が完全に閉鎖する。
- 発声時に声門を閉じることで、適切な音を作る。
これらの筋肉が協調して働くことで、声の高さや強さ、音質を調節することができます。
過緊張なく声帯を動かすために必要な呼吸と圧
声門上圧(Supraglottic Pressure)といいます。
声門(声帯の間の隙間)より上部の空間にかかる空気圧のことを指します。発声や呼吸に影響を与える要素の一つで、声の質や効率に関わります。
筒の中にボールを入れ、下からの空気と上からの空気を同じくらい送ると、ボールは同じ位置にとどまりますよね?
つまり喉締めを軽減することが出来るのです。
声門上圧の役割
1. 発声のサポート
- 声門上圧が適度に高まることで、声帯が適切に振動し、安定した発声が可能になります。
2. 共鳴と音質の調整
- 声門上圧は声道の共鳴にも影響を与え、声の響きを変化させます。
- 適切な共鳴が生まれると、少ない力で豊かな音を出せるようになります。
3. 声帯の保護
- 適度な声門上圧があると、声帯の無理な閉鎖を防ぎ、過度な摩擦による損傷を抑えることができます。
声門上圧をコントロールする方法
- 適切な呼吸(主に腹式呼吸)を意識し、喉に過度な力を入れない。
- 喉頭のリラックスを心がけ、声を押し出すのではなく口腔内を響かせる感覚を持つ。
- 共鳴腔の活用(口腔や鼻腔を意識)し、無理なく声を響かせる。
声門上圧が適切にコントロールできると、発声が楽になり、疲れにくい声(喉)を作ることができます。
Let’s Try 🎤