こんにちは。
ZIGZAG MUSIC SCHOOLのヴォーカル講師ながおかめぐみです。
皆さん、春〜夏への移り変わりの時期で体調崩されたりしていませんか?お互い体調管理がんばっていきましょうね!
ミュージカル俳優と歌手の違い
ミュージカルで舞台に立つということは、何か自分というものを課題にした戯曲(台本)を自分で書いたり誰かに書いてもらったりしない限り、常に自分以外の人を演じるということがついて回ります。
私もそうだったのですが、歌うのが楽しい!という生徒さんはここでつまずいたり自問自答が始まったりします。
これ、私のやりたい事?などと。
大学時代の友人にも、演じることが苦手でオペラやミュージカルではなく、独唱分野に進んだ方もいます。
声を磨くこと、自分の心のまま自分として歌うことができるのは、歌手の方の醍醐味ではないでしょうか。
これはクラシカルな歌手もポップスの歌手の方も同じですね。
演じるって、嘘をつくことなの?
では、ミュージカルで自分ではない人として歌を歌うという事は、自分に嘘をつき自分を押し殺して歌うことなのでしょうか。
私はそれは少し違うなぁと感じています。
中には「ラプンツェルになる!!」と思ったらなり切れる方もいらっしゃるかもしれません。
でも私を含めそういう憑依型ではない人間の方が大多数だと思うのです。
例えば、ハロウィンで何かのキャラクターのコスプレをする場合、ほとんどの場合そのキャラクターらしい服を着たり髪型にしたり、メイクをしたりしませんか?
役者さんも衣装に大いに助けてもらっている面があります。
もちろんプロの衣装さんが作成した衣装は素晴らしいですが、それを着こなすために、時には体を鍛えたり、着こなしの工夫をしたり。
もしかしたらハロウィンなどのコスプレでもそういう事をしている方もいらっしゃるかもしれませんね。
これだって立派なにりきるための「演技」です。
その時に「これは自分じゃない」という罪悪感に苛まれますか?
すごく著名なコスプレイヤーさんならたくさんなりきって自分が分からなくなって…みたいな事があるのかな?
でもハロウィンなどでコスプレする場合はなりきるために「ワクワク」して準備していきませんか?
装いで演じる、って本来そういう気持ちで行って大丈夫なものなのではないでしょうか。
若かりし頃の私。ご当地行くとノリノリでやってました。若っ!!
舞台上で「心を動かす」
そして、ミュージカルは音楽のタイミングどおり動いたり決まった振付をしたりします。
音楽無しのストレートプレイならその人の感性によって間を取ったりできるところを、いわゆる「尺」に合わせるという制約がありますが、その決まったタイミングの中で最大限自分の心を動かして演技をします。
ただカウントを取って、心を動かさずにタイミングだけはバッチリで喋り出したり歌い出しても、お客さまは違和感を感じます。
この画像を見てください。
①見ながら「青い空」と言ってみましょう。
②次は「夕焼け空」と言ってみましょう。
演技で嘘をつくということは②のような事です。
役者本人がそう思っていない言葉を発する。
ミュージカルは総合芸術ですから、だいたい舞台上に役者がそう感じられる舞台装置があったり、逆に様々なイマジネーションが働くようにあえて装置が最低限だったり、俳優が演じやすい環境が作られています。
そういう環境で自分の想像力を駆使してその役にふさわしい感情を持ってセリフを喋る。
これは嘘をついたり騙すのではなく、舞台に誠実に向き合う姿です。
サッティヤ。舞台に誠実に向き合うということ
私はヨガを学んでいますのでつい結びつけてしまいますが、ヨガの日々の生活でやった方が良い事(ニヤマ)という教えの中に、「サッティヤ」という項目があります。
サンスクリット語で嘘をつかない、「正直」という意味ですが、舞台上で誠実でいるのは、こうやって少し本来の自分の感情とは違うけれど、その役であるために心を動かしてセリフや歌を発信することだと思うのです。
こんな風に考えて、私は舞台上で演じる恥ずかしさや違和感による葛藤と向き合ってきました。
このお話が演じること、ミュージカルの世界に飛び込むことに躊躇いを感じている方の助けになれたら幸いです。
え、やってみたくなった?
素晴らしい!!
ぜひ体験レッスンでお待ちしてます(^^)