こんにちは、DinoJr.です!
今回はLouis Cole(ルイス・コール)というアーティストについて少し書いてみます。
Louis Coleとは?

「変な人」として知ってる人も多いかもしれません。突拍子もないパフォーマンスやYouTube動画の印象が強いから「奇才」みたいなイメージを持たれがちですが、ぼくにとって彼の一番の魅力はそこじゃない。
彼のすごさは、異常にタイトなグルーヴと、繊細で美しいハーモニー感覚にあります。
魅力

まずグルーヴについて。
ルイスはもともとドラマーで、しかも非常に精度の高いタイム感を持ってます。普通「タイトなドラマー」というとメトロノームにピッタリ合うイメージですが、彼の場合は“無機質な正確さ”というより“人間のノリの極限まで洗練された正確さ”なんです。
例えばKNOWER(彼とGenevieve Artadiのユニット)の楽曲を聴いてみると、ドラムやベースが複雑なリズムをやってても全体のグルーヴは異様にスムーズに流れてる。これはルイス特有のタイム感が軸になってるからこそ成立してると言えます。
そして彼は歌でもその“タイム感”を徹底してる。
ルイスのヴォーカルはハスキーで軽やかなんですが、よく聴くとリズムの置き方が異様に精密なんです。まるで声そのものがドラムパートの一部になってるような感覚。
これが他のシンガーにはない“クールさ”を作ってると言えます。
次にハーモニーについて。
ルイス・コールの曲は一聴するとシンプルに聴こえるものが多いのだけど、実は裏でかなり凝ったコード進行やヴォイシングが仕込まれてます。
ジャズ的なテンションコードを自然に取り入れ、不協和ギリギリの和音を“美しく”聴かせるのが天才的。
例えば『When You’re Ugly』など、ふざけた歌詞なのにハーモニーの使い方が上品で、そのギャップが素晴らしい。
それに、彼のハーモニー感覚は単なる理論的なものじゃなく、感情の機微をすごく的確に表現してる。
切なさとか孤独感とか、あるいはちょっとした皮肉とか、そういうニュアンスがコードワークに宿ってるんです。だからこそ、ルイスの音楽は「おもしろいのに、なぜか心に残る」んだと思う。
もうひとつ触れたいのが、彼の“間”のセンス。
フレーズを詰め込むんじゃなく空白をちゃんとデザインしていて、その隙間がグルーヴをより強調してる。
これはジャズやファンクの文脈を深く理解してる人じゃないとできない芸当と思います。
つまり、彼は見た目の突飛さとは裏腹に、根っこの部分では伝統的なブラックミュージックの美学を徹底的に咀嚼してると言えます。
カリフォルニアの音楽シーン的に見ても、ルイス・コールはかなり独自の位置にいる。
ThundercatやFlying LotusといったL.A.の変態ジャズ/ビートシーンとつながりながら、ポップスにも寄れる柔軟さがある。
ジャンルを横断してるのにちゃんと「Louis Coleの音」になってるのは、彼自身のグルーヴとハーモニーが強烈に個性的だから。
派手な見た目や変なパフォーマンスに目を奪われがちだけど、本質的にはかなり“音楽的に真面目”な人なんだと思います。
というわけで今回はLouis Coleについて語ってみました。
まだちゃんと聴いたことない人は、ぜひKNOWERの『Life』やソロの『Time』あたりから入ってみてください!
DinoJr.でした!
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