こんにちは。
ZIGZAG MUSIC SCHOOLヴォーカル講師のながおかめぐみです。
皆さま夏を楽しみましたか?我が家のちびっ子はそれなりに楽しんだようです。
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まずは舞台上の母音発音についておさらい
以前舞台発声における母音の発音についてブログに書きました。
日本語には母音が5つあり、日常生活では実はもう少し曖昧な母音も存在するけど(たとえば「舞妓さん」の2音目にくる「イ」は本来のイのポジションまで口角を横に引かず曖昧な音になる、など)、舞台語では必ず5つに分類し、口の形も必ずその形にすることで、発声としても安定するという事をお話しました。
表情という面からも、5つの母音全てが、どの瞬間でも綺麗な写真が撮れるような状態だったら、俳優さんとしても魅力的に見えそうですよね。
ここからは日本語の子音についての話を進めます
さて、今回は子音について。
なるべく小難しいところは省いてお話しますが、やはりちょっと難しくて表現しづらい内容なんですよね。
でも、という事は何かを読んでも分からない、難しいと感じた方は私以外にもきっといると思うので、なるべく分かりやすく書いてみますね。
子音は舌の位置や唇の開閉、歯や歯茎を使ったりして空気の流れを変えて発音します。
摩擦音、弾き音、など細かい分類は音声学の知識を深めると出てきますが、ここでは歌う人にスムーズで聴く人に聞きやすい歌い方を説明する記事なので、学問的な名称は省略します。
また、有声子音、無声子音の分類に関しては人によってどちらになるかはバラつきがあるものもあり。
例えば「私は空を飛びたいのです」の最後の「す」は普通なら標準語では無声ですが、あえてしっかり「ウ」の母音をつけて効果的に使うこともでき、実際にはそれ以外のフレージングのスキルも必要にはなるんですが「す」を母音までしっかり響かせる事で言葉に説得力を持たせる、テクニックとして使っていた俳優さんも私は拝見したことがあり、
一概にこれは無声、これは有声という分類は、舞台発声の話の中では明確に分類しなくても良いかなと個人的には考えています。
特にポップスの世界に多い気がしますが…
日本語でも、子音を英語の発音のように印象的になるように強調、耳に残るような独特の発音をする歌手の方はいらっしゃいます。
私がパッと思いつくのは宇多田ヒカルさん、松田聖子さんなどですが。
普段の日常会話を、少し英語風に喋ってみるようなイメージで喋る、そしてそのまま歌ってみる、とすると、
やり過ぎるとクセ強になりますが、程よく(センス良く)やるとその人オリジナルの歌い回しになるのだと思います。
思います、と濁しましたが。ミュージカルの発音では、そういう「オリジナリティ」は最低限の方が良いのです。特に初心者には。
口腔内の状態をコントロールできる人でないと危険!
なぜ危険かというと、例えば「サシスセソ」などの上の歯と舌の歯の間を狭めて発音する子音を強調してしまうと、口腔内も一瞬狭くなります。
もしかしたらすんばらしいテクニックで口腔内広いまま行える方も世の中にはいらっしゃるかも…?私は無理です。。
「ナニヌネノ」や「タチツテト」の舌を上顎につける発音をするにも、イ母音はともかくア母音などは少し口を閉じないと私は届かないです。
この「閉じる」動作を最小限にする、舌の動きも弾きすぎたり余計なところを通らずに最短距離で母音のところまで移動させることで、口が閉じることは仕方ないとして、口腔内が狭くなる時間を減らすことができます。
もちろん、通過することは必須です。
“ラリルレロ”はRa Ri Ru Re Roでしょうか…?
日本語のラリルレロはローマ字表記はRが使用されますが、舌先を上顎歯と歯茎の境い目あたりにつけてから離す、という方法をとります。
なので巻き舌や口腔内で舌を浮かせるRとは別物で、Lの方が近いと私は考えていますが、でもLだけで独立して音が聞こえる英語のLとはちょっと違うしとも思ったり。
という事で完全に「Lだと思って発音してください」はやや強引だと思うのでそう考えることを強制はしませんが、Rの発音のように舌を中途半端なところに置くのはそもそも違うと理解しておいてくださいね。
この弾くような動きが強すぎると下顎が過度に上がったり、舌が余計なところを通過してしまうので、素早く「ラ」なら「ア」のところへ移動しなくてはならないのです。
でも、上顎側につけることをせず、それこそ Rのように中途半端なところに置いておくと舞台では曖昧すぎて聞こえません。
一瞬で良いから、上顎側につけましょう。
注意点をひとつ。
語頭←語尾の逆ですね。言葉のアタマに来る子音は少し大袈裟に発音する方が聞こえやすいです。
例えば「たしか」という言葉が出てきたとして、「Tashika」と表記するとshiが子音2つだし、イ母音で口を閉じやすく勢いをつけやすくなるんですが、それを舞台でやってしまうと「タ」が聞き取りづらく、「シカ」としか聞こえなかったりします。
それを防ぐために最初の「T」は大仰すぎずに、でもしっかりと弾き、2音目の「sh」はイの歯と歯の幅以上には狭めず最低限で息を流してイに移行、3音目の「k」も本来は上顎奥をやや変化させて破裂するような音を出すのですが、それをする「K」は語頭に来た時だけ。
そうでない時は聞こえる程度に上顎はあまり変化させずアの口腔内に限りなく近いまま発音するのです。
「カキクケコ」で上顎奥を変化させると付随して声門(発語する時に息が通るところ)を必要以上に締めてしまう方も多いので、それを防ぐこともできます。
小難しいお話ばかりだったので、読み飛ばしちゃった方←おい!笑 のために
すんごーーーくざっくりまとめると、
① 子音は聞こえる最低限の動きに留める
② 母音は今できる範囲で口の形、舌の位置をしっかり保つ
ことが、舞台上での歌やお芝居の発音には大切なポイントとなります。
母音も子音も、自分にとってより良い、やり易い方法が練習を重ねると見つかったりします。
子音の良い位置を身につけるヒントとしては「タタタタタタタタ‥」「ノノノノノノノノ…」みたいに母音の形をなるべく損ねず高速で同音を発音してみること。最短の動かし方が身についたりします。
歌うために必要な楽器となる自分の体、もっともっと素敵で快適に使えるように、研究していけたら良いですね♪
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帰省先の大自然!日本海!!
自然を見るのはリフレッシュになりますね。
皆さまも適度に息抜きしつつ、学びを続けてくださいね⭐︎
今回「ん」や小さい「っ」など例外的なものまでお話できなかったので、
知りたい方は体験レッスンで、いつでもお待ちしています!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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