エアコンをつけなくても快適に過ごせる季節になりましたね。
空調のノイズを気にせず宅録できる時期は、音に向き合う時間もどこか心地よく、作曲も自然と捗ります。
最近はそんな穏やかな環境の中で、心の声をそのまま歌にしています。
ロックスターのステレオタイプ
さて、先日ニュースになったオアシスの奇跡の再結成。
僕も幸運にもチケットを手に入れ、東京ドームへ行ってきました。
会場はとんでもない熱気と祝祭ムード。
改めて彼らの人気と影響力を感じましたが、同時に「なぜ彼らはこんなに普通の立ち方なのに、あんなにかっこいいのだろう?」という疑問も浮かびました。
オアシスは1991年、マンチェスターでギャラガー兄弟を中心に結成されたバンドです。
労働者階級出身で、地元の空気感をそのまま背負ったような存在。
ジャージ姿でステージに立ち、終始棒立ち、そして真顔。
それでも観客を圧倒し、世界中を熱狂させてきました。
ステージングとは?
一般的に「ステージ映え」や「パフォーマンス」といえば、派手な動きや笑顔、観客を煽るジェスチャーを思い浮かべるかもしれません。
でも、彼らは真逆を貫いています。
ボーカルのリアム・ギャラガーはかつてこう語りました。
“パフォーマンスで魅せるんじゃない。
立って歌うだけでロックは伝わる。”
この言葉に尽きると思います。
リアムは動きながら歌うと音程がブレるのを嫌い、「歌うときは1ミリも動かない」と話しています。
つまり、彼の“棒立ち”は怠慢ではなく、音楽と声への集中、そして美学の表れなんです。
ステージングというのは、動くことだけではありません。
自分の姿勢や目線、空気のまとい方、そこに宿る“態度(attitude)”こそが本当のパフォーマンス。
派手に動かなくても、そこに信念があれば観客には伝わります。
逆に、いくら大きく動いても、心が伴っていなければ何も響かない。
私のステージでは、曲によって表情を変えたり、客席を見渡すなど目の動きで感情を表現することを意識しています。
もしあなたがこれからステージに立って歌うなら、「どう見せるか」よりもまず、「自分が何を感じ、何を伝えたいのか」にフォーカスしてみてください。
立ち方、息づかい、目線の先。すべてがあなたの音楽の一部になります。
リアムのように動かなくてもいいし、真逆に動き回ってもいい。
大切なのは、あなた自身がその瞬間を本気で生きているかということ。
その誠実さが、観客の心を一番強く動かします。
今回はステージングの哲学について考えてみました。
最後までお読みいただきありがとうございます。
皆さん体調に気をつけて!また来月お会いしましょう。
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