皆さんこんにちは
zigzag music schoolの葉月あすみです。
ようやく暑さが落ち着いてきましたね・・・
芋・栗の季節が来ました!
歌い方が棒っぽくなるのを直したい!
「音程やリズムは合っているのに、なぜか歌が平坦に聞こえてしまう…」
それはどうして起きてしまうのでしょうか?今日はそのことについて触れてみようと思います。
棒読みっぽくなってしまう人は 意外と丁寧に歌いすぎている、、、?
「音程やリズムは合っているのに、なぜか歌が平坦に聞こえてしまう…」
そう悩む人は多いです。あなたの歌が感情的でなく、棒読みのように聞こえてしまうのには、実は意外な原因があります。それは、文字一つ一つを丁寧に発声しすぎていることかもしれません。
棒読みの歌い方をしてしまう人は、「一文字一文字の発音を完璧にしよう」と意識しすぎている傾向があります。
これは、正しい発声をしようとする真面目さの裏返しなのですが、歌においては逆効果になってしまうのです。
原因:言葉を「音符」でなく「文字」として処理している
私たちは普段、会話をする時、一言一句を均等なトーンで発しません。文の重要な単語にアクセントをつけ、文末をなめらかに処理し、感情を息づかいに乗せます。
しかし、歌になると途端に、
「あ」→一つの音符
「い」→一つの音符
「う」→一つの音符
…というように、全ての音符を同じ強さ、同じ長さの音として処理しようとします。
その結果、言葉がまるで機械のように均等に並び、感情や抑揚が消え、単調で平坦な「棒歌い」になってしまうのです。
この状態を脱するには、言葉を「文字」として完璧に発声するのではなく、「山なりにメロディを移行させる」意識が必要です。
今すぐ歌に命を吹き込む!表現力をつける2つのコツ
①. メリハリ(強弱)をつけてメロディの「山と谷」を作る
棒読みから脱却する最も効果的な方法は、メロディの「強弱(アクセント)」を意識的に操作することです。
★フレーズの「頭」と「山」にアクセントを置く★
歌のフレーズ全体を一つとして見たとき、どこが最も伝えたい言葉、どこが最も音程の高い「山場」かを考えましょう。
フレーズの始まり:最初の音を少し強めに出す(アクセントをつける)と、聴き手にグッと引き込む効果が生まれます。
フレーズの最高音:音程が最も高くなる「山」の部分で声量を増やしたり、発声を濃くしたりすることで、メロディに自然な「抑揚」が生まれます。
この「山と谷」を作る意識を持つだけで、全体の流れが単調にならず、聴き手に感情が伝わりやすくなります。
★サビで急に上げず「放物線」を描く★
Aメロとサビで声量を極端に変えるだけでは、不自然な歌になりがちです。
聴き手を惹きつける表現のプロは、まるでなだらかな放物線を描くように徐々に音量を上げていきます。
- サビ直前で一旦声を引く(弱くする)
- サビの冒頭から徐々に盛り上げていく
この「足し算」と「引き算」のメリハリが、歌に緊張感と感動を生み出します。
②. 「しゃくり」や「フォール」などで音に動きをつける
言葉の発声が丁寧すぎる棒読みの歌い方は、音と音の間がカクカクと途切れているように聞こえがちです。
音程の移動に柔らかさと遊びを加えましょう。
★ しゃくり(Scoop/Upward inflection)
目的:柔らかさ、切なさ、甘さを加える
- やり方: 目的の音程よりも少し低い音から滑らかにアプローチして、正しい音程に到達させるテクニックです。
- 効果: 音の立ち上がりをソフトにし、感情の揺らぎや「語りかける」ような人間味を歌に与えます。特に女性ボーカルや切ないバラードで多用されます。
★ フォール(Fall/Downward inflection)
目的:余韻、脱力、ため息のような感情を表現する
- やり方: 目的の音程を歌い終えた後、音程をストンと下げる、あるいは息と一緒に落とすように処理するテクニックです。
- 効果: 語尾に余韻を残し、感情を「引きずる」ような表現や、緊張が解けるような脱力感を演出できます。語尾をそのまま伸ばすよりも、グッと表現力が深まります。
これらのテクニックを意識的に使うことで、音程が均一に並ぶ感覚がなくなり、歌声に立体感と流れが生まれます。
棒歌い改善の第一歩:歌を「会話」だと捉え直す
歌が棒読みになってしまう最大の原因は、歌を「完璧な音程とリズムをなぞる作業」だと思い込んでいることにあります。
歌は、メロディに乗せた「語りかけ」であり、「感情の会話」です。
歌詞の一文を、あたかも大切な人に語りかけているように朗読してみてください。
その時自然につく強弱、間の取り方、息づかいこそが、あなたが本来持っている表現力です。
その会話のトーンを、そのままメロディに乗せる意識を持つこと。
それが、あなたの歌を棒読みから心に響く表現へと変える、最も大切な一歩となるでしょう。
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