こんにちは。
ZIGZAG MUSIC SCHOOLヴォーカル講師のながおかめぐみです。
歌を歌う前に行う、大切な「発声練習」
歌を長く続けたいと思った時、多かれ少なかれ皆さんは歌を他人に「披露する」機会を得るかと思います。
音楽学校の試験、コンクール、舞台の本番。
そして学校の音楽のテストや仲間内でのカラオケも、素敵に歌いたい、上手くなりたいと思っている方ならただのテストや娯楽ではなく「これは披露のチャンスだ」と感じるのではないでしょうか。
だからこそ、その本番前にどんなウォーミングアップしようかな、発声練習しようかな、と思い悩みます。
私も特にお仕事として舞台に立つとなった時、悩みました。
私自身の話をしますと、学生時代から卒業してからもクラシック声楽を勉強していたので、先生が普段レッスンで教えてくださっていたクラシックの歌い方の発声練習が、まわりのミュージカル俳優さん達の発声練習と違いすぎて、習ったままやってたら浮くね?!と感じてしまい、うまく発声練習含めたウォーミングアップが出来ていませんでした。
幼少の頃から「空気読め」と育てられたチキンハートという事もあり、ロビーなどアップ場所で声を出すことを苦痛に感じていました。
そんな風に考える自分が恥ずかしく感じたり、本当に今思えば余計な杞憂なんですけど、でも半分は的を得ていて。
ちなみに、カラダをあたためる動きなどは、ヨガを始める前はメチャクチャではありましたが、劇団でも教えていらしたユーコ・ジャクソン先生の”Awakening”のDVDを毎日見様見真似でやってました。
だいぶ昔のものですが、気になる方はチェックしてみてください。
ちゃんとやれば汗かきます。

声楽という括りと、ミュージカルという括り
ミュージカルの本番前に、クラシック特有の、特に女声ならかなりの低い音まで裏声で力まず歌う発声練習は、喉を酷使して壊すリスクは低いですが、マイクにのりやすい、良く響く声づくりとは大分違います。
例えると、私はスポーツ選手でもスポーツトレーナーでもないので的を得ていなかったら申し訳ないのですが、これからテニスの試合に出るのにフィギュアスケートを滑るためのウォーミングアップをしていたら。
身体は温まるけどベストではないだろうな、と思いますよね?
それと同じと思ってください。
それぞれに対するアプローチを私は変えています。
もちろんそれぞれに共通点はあるのですが、声楽(この場合オペラ、など限定はしません)とミュージカルを、一概には比べられないけれど声楽ってすごく括りが大きいのです。

対してミュージカルはより限定的というか、的が狭いのです。

広い範囲で自分の声の良いところを伸ばしてクセを無くして磨いてもらいます。
対してミュージカルは、特に劇団四季は、個性を殺す必要はありませんが一定のこういう事出来てたら良いよね、という基準がありますから、そこを外れないように私も気をつけています。
四季ならこうだね、というのをオーディション対策される生徒さんにはお伝えしてます。
なのである意味選択肢が限られてしまうわけですが。
でもその柵がある中で最大限良いところを引き出していく努力をする事は、なかなか味わい深いですよ。
ちょっとプロ志望の人向けに話しすぎましたので。
と、まぁこの辺りの内容はあくまでプロとしてやっていくなら、という話なので歌う事を楽しみたい、という事でしたら好きな歌を得意な発声法、好きな歌い方で歌って大丈夫です。
マンマ・ミーアは全編ABBAの曲で、歌いまわしなど細かく決まっていたりしますがそれを何か発表の場でオペラ歌唱で歌ったって良いのです。

発声練習は「より良い自分」のために
「本番のパフォーマンスを上げる為に行うこと」を最優先にすること。
(発声練習で、その時間だけで実力アップを狙う、というのとは違いますよ。念のため。)
内容について気になるようでしたら、これまでのブログにウォーミングアップの記事や、母音子音の発音法についても書いているので良かったら覗いてみてくださいね。
私も最初は人にどう聞こえるのか、毎回同じで変じゃないのか、気にしていた時期もありましたが。
日頃レッスンがんばっているご自身の経験や感覚を信じて、この順番で、とか今日はこの役だから、とか。
時間たっぷりあればゆっくり休みながら、少し駆け足で、など全て自分で決めてしまって良いのです。
皆さんが歌を習っている先生方も「私のために発声メニュー作ってください♡」と丸投げじゃ戸惑ってしまうかもですが、こういう時どうやって発声練習したら有効ですか?とかレッスンでよく行ってるこの発声はどういう意味があるのですか?などきいてみれば、きっと良いアドバイスをくれます。
注意点としては、いくら時間があって、自分を観察しつつ様子を見ながらだとしても、ダラダラ続けないこと。
15分、とか20分、とか自分で区切りを決めて行いましょう。
上手くやろうと、思わなくていい

初舞台、はじめてもらった、たったひとつだけど独りで喋るセリフ。
例えば「ごめんなさい」「ありがとう」とかね。
もしそんな素敵なものをお持ちなら。
発声練習の大半その台詞をひたすら練習する、でも良いのです。
喉を起こすのには、必ずしも音程がついている必要はないですよ。(もちろんつけても問題ないです)
それを15分?!飽きちゃうし頭オカシクなったみたい。でしょうか…?
「上手くやろうとしなくて良いから、一生懸命にやれ」と、今は亡き尊敬する恩師が仰っていました。
そもそも周りの人は自分の事に集中している(はずですよね?だって私もよく考えてみたら、人がどんな発声練習してるのかなんて大して聞いてないじゃん!って気づきましたもん)ので、限られた時間、こちらに矢印向いてない相手の視線を気にしていたら勿体ないですよ!
自分に意識を向ける方法などは、またの機会に触れたいと思います。
長くなりましたので、今回はこの辺で!!
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