こんにちは、ZIGZAGの岡です。
練習が続かないんですが…
地道な練習を継続することは、成果を出すための絶対条件です。しかし、わかっていても三日坊主になりがちですよね。正直僕も、いまだにそんな日があります。
今回は、途切れない練習を自分のものにするための、具体的な戦略を書き連ねてみたいと思います。これは、主に脳の癖と感情の限界をハックしようと試みるアプローチです。
1. 練習を「劇的に小さく」チャンク化する
継続の最大の敵は、「やることの多さ」と「目標の遠さ」です。
目標設定の「小さすぎる勝利」戦略
認知心理学では、脳が明確で小さな達成を積み重ねることで、ドーパミン(意欲の源)を出しやすくなると示しています。
- 練習目標のチャンク化:
- NG例: 「今日は曲を最後まで通す練習をする」
- OK例: 「今日は3小節だけ、指をスムーズに動かすことに集中する」
- さらに小さく: 「楽器に触って5分だけ音を出す」
このように、失敗しようがないほど小さなステップを設定することで、脳は「練習を始める」ことへの心理的抵抗(初期コスト)を最小限に抑えられます。
まずは「始める」こと自体を成功体験としましょう。
2.損失回避バイアスで「強制的に」始める
行動経済学の重要な発見の一つに、人間は利益を得る喜びよりも、損失を回避したいという痛みの方が、行動の動機として強く働く(損失回避バイアス)というものがあります。
「コスト」と「ご褒美」を事前に設定する
これを応用し、練習をサボることに「明確なコスト」を紐づけることで、強制的にモチベーションを高めます。
- プレコミットメント(事前公約)
- 罰ゲーム設定: 「今日練習しなかったら、大好きなスイーツを1週間食べない」
- 寄付設定: 友人に「練習報告がなければ、特に支持していない団体に1,000円寄付する」と約束する。
- 「ご褒美」の利用
- テンポラル・コンシステンシー(時間的一貫性)の研究に基づき、練習直後に「楽しみにしていたドラマを見る」「カフェラテを飲む」といった即時的な報酬を必ずセットにすることで、「練習=快感」という強い繋がりを脳に学習させます。
損失の痛みを避けたいという本能と、練習後の即時的な喜びを組み合わせることで、練習への足取りが軽くなります。
3. 感情エネルギーの「予備燃料」を意識する
継続的な活動で感情が摩耗し、練習意欲すら失うのが燃え尽き症候群(バーンアウト)です。最新の研究では、燃え尽きは「感情エネルギーの枯渇」、特に自己制御資源の枯渇が原因だとされます。
練習と休憩の「回復設計」を組み込む
途切れない練習とは、「練習の合間に、意識的に感情エネルギーを回復させる行動を組み込むこと」です。
- 意図的な休憩: 集中力が切れてから休むのではなく、タイマーで25分練習、5分休憩のように「ポモドーロ・テクニック」を導入し、切れる前に意識的に脳を休ませます。
- 「自己肯定感の補給」日: 練習の技術向上ばかりに焦点を当てず、週に一度は「好きな曲をただ楽しく演奏する」「完璧でなくていいから、自分の上達を褒める」という評価を伴わない純粋な楽しさのための時間を作りましょう。
- これは、感情労働で擦り切れた感情の「予備燃料」を補給する行為です。
- 脱同一化: 研究では、仕事や活動から心理的に距離を取ること(練習以外の趣味に没頭する、友人との交流など)が、バーンアウトの予防に極めて有効だと示されています。練習をしない時間も、実は「継続のための準備」と言えます。
まとめ
途切れない地道な練習を続けるには、意志力に頼るのではなく、「仕組み」で解決しましょう。
練習を小さく分解し、損失の恐怖でスイッチを入れ、そして意識的な回復で感情エネルギーを絶やさないこと。
この戦略こそが、あなたの継続力を支える土台となるかもしれません。よろしければ参考にしてみてください。
吉祥寺のボイトレスクール「ZIGZAG MUSIC SCHOOL」の無料体験レッスンはこちら!
