歌が苦手で、できることならとにかく手っ取り早く上手くなりたい。
でも「30分で歌が上手くなる」なんて、正直そんなに簡単なはずがないと思っていませんか。
この記事では、30分でできる具体的な上達メニューを、私自身が体験レッスンでたった30分の間に驚くほど声が変わった経験も交えてお伝えします。
結論:30分で歌が変わるのは、量ではなく「発声の切り替え」を体験するから
結論からお伝えすると、30分という短い時間でも、歌の印象が変わったと実感できることは十分にあります。
ただし、それは猛練習で歌唱力そのものが完成するという意味ではありません。
多くの人が無意識にやってしまっている「喉に頼った発声」から、「効率よく息を声に変える発声」へと切り替えることで、短時間でも声の出しやすさや響きが変化することがあります。
「今まで何年も歌が苦手だったのに、30分で変わるはずがない」と感じる方も多いと思います。
ですが、歌いにくさの原因が、喉や首まわりに必要以上の力を入れてしまうなど、発声時のクセにある場合、そのクセを一時的に外すだけでも声の出しやすさが変わることがあります。
つまり、30分でゼロから歌唱力を身につけるのではなく、「今まで使えていなかった声の出し方を体験する」と考えると分かりやすいでしょう。
ここから、その具体的な30分メニューを見ていきましょう。

30分でできる、上達を実感する4ステップ
特別な道具は、ストロー1本だけあれば十分です。
ストローがない場合は、後ほど紹介するリップロールでも代用できます。
次の4ステップを、書いてある時間の目安で順番に進めてみてください。
ステップ1. 姿勢と脱力の確認(5分)
まず、肩の力を抜いて、軽く背筋を伸ばして立つか座ります。
肩を一度大きく上げてストンと落とす動きを、3回繰り返してください。
首を左右にゆっくり倒して、喉まわりの余計な力も抜いておきましょう。
発声では「頑張って大きな声を出そう」とするほど、首や喉まわりに余計な力が入りやすくなります。
地味に感じるかもしれませんが、まず余計な力を抜いておくことが、このあとの発声練習をしやすくするポイントです。
ステップ2. ストロー発声で息と声のバランスを整える(10分)
普通のストローを1本、唇でくわえます。
ストローの先から「ウー」と声を出しながら、息をストローに通すイメージで、5秒ほど声を伸ばしてみてください。
慣れてきたら、その状態のまま、低い音から高い音へ、また高い音から低い音へ、声をゆっくり滑らせるように動かします。
これを2〜3分ほど繰り返します。
ストローが手元にない場合は、唇を軽く閉じて「ぶるるる」と震わせるリップロールを試してみましょう。
この段階では、無理に大きな声を出す必要はありません。
喉を締めつけず、楽に声が出ている感覚を探してみてください。
なぜストローで声が出しやすくなる?発声が変わる原理
ここで、「そもそも、なぜストローをくわえて声を出すだけで発声練習になるの?」と疑問に思う方もいるでしょう。
ストローを使った発声は、音声研究や音声治療の分野で「半閉鎖声道(Semi-Occluded Vocal Tract:SOVT)」と呼ばれる発声方法の一種です。
難しそうな名前ですが、仕組みはそれほど複雑ではありません。
普通に口を開けて声を出す場合と比べて、ストローをくわえると声の出口が狭くなります。
すると、声道の中の空気の流れや圧力の状態が変わり、口側から声帯側へ作用する圧力も生まれます。
このように声の出口を適度に狭めることで、声帯と声道の相互作用を利用しながら、無理に喉を締めつけずに発声する感覚をつかみやすくなるのが、ストロー発声の大きな特徴です。
実際に、ストローを使った半閉鎖声道での発声については、声道のインピーダンスや発声に必要な圧力との関係が研究されています。
また、健康な成人を対象にした研究では、ストロー発声の前後で口腔内圧や空気力学的抵抗、呼気流量などに変化が確認された例も報告されています。
つまり、ストロー発声は単に「私がやってみたら声が出やすくなった」という個人的な体験だけを根拠にした練習ではなく、発声の仕組みを利用したトレーニング方法なのです。
ただし、ストローを使えば誰でも同じように声が変化するわけではなく、ストローの太さや長さ、発声方法、もともとの声の状態などによって感じ方には個人差があります。
大切なのは、力いっぱい声を出すことではなく、「いつもより少ない力で声が出ているか」を確認しながら練習することです。
ステップ3. ストローを外して、同じ感覚を地声に移す(10分)
ストローを外し、先ほどの「喉に余計な力を入れずに声を出す」感覚を保ったまま、「あー」と声を出してみてください。
ストローを外すと、急にいつもの発声に戻り、喉に力が入りやすくなることがあります。
そんなときは、もう一度ストロー発声に戻って構いません。
「ストローで発声する→外して声を出す→力んだらストローに戻る」という行き来を繰り返すことで、楽に発声できる状態と普段の発声の違いを体で比較しやすくなります。
この行き来を3〜4回ほど行い、ストローなしでも同じ感覚を再現できるか試してみましょう。
ステップ4. 好きなフレーズで、変化を録音して確認する(5分)
最後に、好きな曲の中から歌いやすいワンフレーズを選び、メニューを始める前と同じフレーズを歌って録音してください。
できれば、練習を始める前にも同じフレーズを録音しておくのがおすすめです。
練習前と練習後を聴き比べてみましょう。
「声の詰まりが減ったか」
「高い音が少し楽になったか」
「声が前に出て聞こえるか」
「余計な力が入っていないか」
このようなポイントを確認してみてください。
自分で歌っている最中には気づかなかった変化も、録音して客観的に聴くことで分かりやすくなります。
この4ステップに共通しているのは、「頑張って声を出す」のではなく、「より効率よく声を出せる状態を探す」という考え方です。
合計30分、道具はストロー1本で、今日から試すことができます。
時間がどうしても取れない場合は、ステップ2のストロー発声だけでも試してみてください。
歌に苦手意識があった私が、体験レッスンの30分で驚いた話
実は私自身、昔から歌うことに強い苦手意識がありました。
カラオケに誘われても気が重く、人前で歌う場面は避けられるなら避けたい、というタイプだったのです。
それでも、あるとき思い切ってボイトレの体験レッスンに申し込んでみました。
正直なところ、「体験レッスンなんて所詮1回きりだし、30分やそこらで何か変わるわけがない」と、半分諦めのような気持ちで参加したのを覚えています。
ところが、レッスンが始まってすぐ、まさにこの記事で紹介したような、ストローを使った発声練習をやってみることになりました。
最初は「ストローで声を出すって何をするんだろう」と半信半疑でした。
それでも、言われた通りにストローを通して声を伸ばし、音を上下させる練習を数分続けました。
そしてストローを外して声を出してみると、
明らかに声が軽く、前に出るようになっている感覚があり、自分でも驚きました。
先生から「今の声、さっきより全然出やすくなってますよ」と言われ、恐る恐る同じフレーズを歌ってみました。
すると、開始前とは別人のように歌えている感覚があったのです。
それまで長年抱えていた「自分は歌が下手だ」という思い込みが、たった数分の練習で少し揺らいだ瞬間でした。
「少しコツを知るだけで、こんなに変わるものなんだ」と、あの30分間の衝撃は今でもはっきり覚えています。
ZIGZAG MUSIC SCHOOLの「ボーカルレッスン」でいい歌声を作ろう!
「30分で上手くなる」を勘違いしないための注意点
ここまで紹介したメニューには、正直に伝えておきたい前提があります。
30分で変化を感じやすいのは主に「発声のしやすさ」であり、音程やリズム感、表現力など、歌に必要なすべての能力が30分で完成するわけではありません。
私自身も、あの体験レッスンの1回だけですべての悩みが解決したわけではありません。
ただ、「自分の声は変えられるんだ」という手応えを、たった30分で得られたことが、その後も練習を続ける大きなきっかけになりました。
また、今回のメニューを試しても変化を感じにくい人もいると思います。
発声には一人ひとりクセがあり、力みの原因や声が出しにくい理由も異なるからです。
その場合は、無理に声を出そうとせず、ステップ2と3を行き来しながら「どの状態なら楽に声が出るのか」を探してみてください。
喉に痛みや強い違和感がある場合は、無理に練習を続けないようにしましょう。
よくある質問
Q. 本当に30分だけで、その効果はずっと続きますか?
A. 30分のメニューで「声が変わる感覚」を体験できることはありますが、何もしなくてもその状態がずっと続くという意味ではありません。
ストロー発声でつかんだ感覚を、実際の歌でも再現できるように繰り返し練習していくことが大切です。
Q. ストローが手元にない場合はどうすればいいですか?
A. 唇を震わせるリップロールでも、声の出口をある程度狭めた状態で発声できます。
「ぶるるる」と唇を震わせながら、無理のない音域で声を出してみてください。
Q. 音痴でも、この30分メニューで変わりますか?
A. 今回のメニューは、主に「声の出しやすさ・響き」にアプローチするものです。
音程を聴き取る力や正確な高さで声を出す力は別のトレーニングも必要になるため、このメニューだけで音程の悩みが解決するとは言い切れません。
ただし、発声が楽になることで、自分の狙った高さの声をコントロールしやすくなる可能性はあります。
Q. 毎日繰り返せば、もっと上手くなりますか?
A. 大切なのは、回数だけを増やすことではなく、喉に無理な力を入れずに発声できているかを確認することです。
短時間でも、ストロー発声と通常の発声を行き来しながら、楽に声を出せる感覚を覚えていきましょう。
Q. 体験レッスンでは、具体的に何をしてもらえるのですか?
A. 今回のようなセルフチェック用のメニューとは違い、体験レッスンでは自分の声のクセに合わせて、どこを改善すれば声が出しやすくなるのかを個別に見てもらえます。
私自身、一人では気づけなかったポイントをその場で指摘してもらえたことが、大きな変化につながりました。
ZIGZAG MUSIC SCHOOLの「ボーカルレッスン」でいい歌声を作ろう!
まとめ:今日の30分を、変化のきっかけに
30分で歌が変わったように感じるのは、短時間で歌唱力のすべてを身につけるからではありません。
喉に頼って頑張って声を出す状態から、より効率よく声を出せる状態へ切り替えることで、「こんなに楽に声が出せるんだ」という感覚を体験できることがあるからです。
姿勢と脱力の確認、ストロー発声、通常の発声への切り替え、録音での確認という4ステップを、まずは今日の30分で試してみてください。
そして、この30分はゴールではありません。
あくまで「自分の声は変えられるかもしれない」という手応えをつかむための入り口です。
私自身も、体験レッスンで「たった30分で、こんなに変わるんだ」と感じたことが、その後の大きなきっかけになりました。
もし今回の練習をやってみても「自分の場合はどこに力が入っているのか分からない」、「もっと自分の声に合った練習方法を知りたい」と感じたら、一度プロに声を聴いてもらうのも一つの方法です。
ZIG ZAG MUSIC SCHOOLでは、一人ひとりの声や悩みに合わせたボイストレーニングを受けることができます。
かつての私自身がそうだったように、まずは「自分の声って、こんなふうに変わるんだ」という感覚を体験してみてください。
吉祥寺のボイトレスクールZIGZAG MUSIC SCHOOLの無料体験レッスンはコチラ!