「自分の声って、どんな種類?」
カラオケで歌ったときや、自分の声を録音して聞いたときにそんな疑問を持った人もいるのではないでしょうか
ひとことで「声の種類」といっても、様々な違いがあります。
今回は、歌で使われる声の種類を一覧で整理しながら、自分の声のタイプ=歌いやすい歌を見つけるための方法までわかりやすく解説していきます!
声の種類とは?何によって変わるかを知ろう!
声の種類を調べていると、地声、裏声、ミックスボイス、ハスキーボイス、ソプラノなど、たくさんの言葉が出てきます。
結局何が違うの!?と思いますよね。
いっせいに覚えてしまうと混乱してしまうかもしれません、
まずは声を「歌声」「声質」「声域」の3つに分けて整理していきましょう。
「歌声」は発声の状態のこと
歌声とは、歌っているときの発声の状態のことを主に指します。
例えば
普段の話し声に近い「地声」
高い音を柔らかく出しやすい「裏声」
地声と裏声をなめらかにつなぐ「ミックスボイス」
など、同じ響く声でも歌っている声の出し方の状態によって音がかわっていきます。
「声質」がザラザラした人でも、いい発声で響きをつけていけば素敵な「歌声」になっていきます。
歌声はひとりの人でも何種類も出すことができます。
料理をするのにたくさんの調理道具を使うのと同じで、
歌声も伝えたい感情をつたえるために、力強く歌いたい場所では地声を使い、繊細な雰囲気を出したい場所では裏声の響きを強くしたりします。
曲や表現に合わせて声を使い分けているんですね。
「声質」は声の響きや印象を表す
声質とは、その人の声を聞いたときに感じる音色や印象のことです。
声帯はひとりひとり微妙に違い、その違いが声の質に影響を与えます。
なので同じ「地声」といっても、「Aさんの地声」と「Bさんの地声」は違います。
またもともとの声帯や身体のつくりだけでなく、口の開け方、舌の位置、息の量、声を響かせる場所なども声質に影響します。
「明るい声」「柔らかい声」「太い声」「細い声」「ハスキーな声」「透明感のある声」などの表現は、声質の違いを表しています。
同じ音程を同じ音量で歌っても、人によって声の印象が違うのは、この声質が関係しているからです。
ギターも、木材や弾き方によって若干の音色が変わりますよね。声も同じように、その人の身体や発声方法によって独自の響きが生まれます。
そのため、声質に「良い声」「悪い声」という絶対的な基準はありません。
柔らかい声には柔らかい声の魅力があり、ハスキーな声にはハスキーな声だからこそ伝えられる感情があります。
発声との違いがわかりずらければ
「スピーカーと、スピーカーで再生される音声の違い」
と考えてあげるとわかりやすいかもしれません。
例えばYouTubeで動物の鳴き声を聞いてみたと仮定してください、
その時、スピーカーからの安定した音量や響きがないと聞きづらいですよね。
これが発声です。
一方で、犬や猫、馬など様々な動物の鳴き声は違います。
「猫の声より犬の鳴き声のほうがいい!」
という好みはあるかもしれませんが、明確な優劣はありません。
これが声質です。
自分の声質を知ることは、欠点を探すことではなく、自分らしい歌い方を見つけることです。声質をしって、良い発声をこころがけてあげましょう
声域は出せる音の高さを表す
声域とは、その人が出すことのできる最低音から最高音までの範囲を指します。
一般的には、低い音から高い音まで広く出せる人ほど「声域が広い」と表現されます。
合唱やクラシックでは、女性の声をソプラノ・メゾソプラノ・アルト、男性の声をテノール・バリトン・バスなどに分けることがあります。これらは主に、得意な音の高さや声の役割をもとにした分類です。
ただし、高い声が出るからといって、必ずしも歌がうまいわけではありません。
歌で大切なのは、一瞬だけ高い音を出せることではなく、その音を無理なく安定して使えることです。苦しそうに出した高音よりも、自分の出しやすい音域で丁寧に歌った声のほうが、聞く人に心地よく届くこともあります。
また、声域と声質は別のものです。
高い音が得意でも太い声質の人はいますし、低い音が得意でも柔らかく明るい声質の人もいます。
まずは「どこまで音が出るか」だけでなく、「どの音域が一番自然に響くか」に注目してみましょう。そこに、自分の声タイプを知るためのヒントが隠れています。
声の種類を知りたい方はボーカルコースへ!
歌で使われる代表的な声の種類一覧
歌では、「歌声」「声質」「声域」によって様々違う声を、曲の高さや雰囲気、伝えたい感情に合わせて使い分けます。
ここでは、歌でよく使われる声の種類を、特徴や使われる場面とあわせて見ていきましょう。
地声系の種類|チェストボイス・ベルティング
地声とは、普段の会話で使っている声に近い発声です。
声に芯があり、力強さや言葉の輪郭を伝えやすいため、ポップスやロックをはじめ、さまざまなジャンルで使われます。
地声に近い歌声として、よく耳にするのが「チェストボイス」です。
チェストとは英語で「胸」という意味があり、胸のあたりに響きを感じやすいことから、この名前で呼ばれています。
声は声帯の振動によって生まれ、その響きを身体の中で感じています。
胸に手をあてて声をだしてみましょう。
胸が揺れている感じがしなければ「咳払い」をしてあげてください。
その時に揺れる振動こそがチェストボイスのもとになります。
チェストボイスでは、声に厚みが出やすく、歌詞をはっきりと届けられるというメリットがあります。
地声系の発声として、もう一つ知っておきたいのが「ベルティング」です。
ベルティングは、ミュージカルやロックなどで聞かれる、明るく力強い高音の歌い方です。サビで感情を一気に爆発させるような場面に向いています。
有名なWhitney Houston – I Will Always Love Youもベルティングの一種です。
ベルティングは単純に大声を出す発声ではありません。
息の流れや声帯の使い方、響かせる方向を調整しながら、地声の力強さを高音域まで保つ技術です。
見よう見まねで叫ぶように歌うと喉を痛める可能性があるため、最初は無理をせず、専門家の指導を受けながら練習すると安心です。
裏声系の種類|ファルセット・ヘッドボイス
裏声とは、地声よりも声帯が鳴っている割合が少ない状態の歌声です。
地声で高音を出そうとして苦しくなる人でも、裏声に切り替えると急に楽に出せることがあります。
裏声の中でも、息が多く混ざった柔らかい声は「ファルセット」と呼ばれることがあります。
一方、裏声の中でも比較的芯があり、頭の上に響くような感覚を持つ声は「ヘッドボイス」と呼ばれます。
「ファルセット」「ヘッドボイス」と「チェストボイス」は聴き比べて見るとその音の種類の違いがよくわかります。
こちらの動画で最初出している声が「ファルセット」で、2つ目が「ヘッドボイス」。「チェストボイス」が最後出している声になります。すべて同じ音程というのが面白いですよね。
ファルセットは、声の輪郭が少しぼやけ、ふわっと空気に溶けるように聞こえるのが特徴です。
バラードの静かな部分や、ささやくような表現によく合います。
たとえば、強い地声で歌っていたあとにファルセットへ切り替えると、曲の中に大きな明暗をつけることができます。
ヘッドボイスは、ファルセットよりも息漏れが少なく声量を保ちやすいことが特徴です。
クラシックや合唱、高音をしっかり響かせる歌唱などでよく使われます。
ファルセットとヘッドボイスは、完全に別々の声というよりも、裏声の中で息の量や声帯の閉じ方が異なるものとして考えるとわかりやすいでしょう。
息が多く混ざれば柔らかなファルセットに近づき、声に芯を加えるとヘッドボイスに近づきます。
中間・表現系の種類|ミックス・ウィスパー・エッジボイス
地声と裏声の中間として、よく知られているのが「ミックスボイス」です。
ミックスボイスとは、地声の力強さと裏声の出しやすさを組み合わせたような歌声です。
地声と裏声の境目を目立たなくし、高音までなめらかにつなげるために使われます。
ミックスボイスができるようになると、地声のまま無理に高音を押し上げる必要がなくなります。
ただし、地声と裏声を半分ずつ混ぜれば完成するという単純なものではありません。
音の高さによって、地声寄りになったり裏声寄りになったりと、その割合は変わります。
こちらは「エッジボイス」と「ミックスボイス」をわかりやすく表しています。
エッジボイスは、「あ゛あ゛あ゛」というような、低く細かな振動を感じる声です。
朝起きた直後の声や、ホラー映画に登場する声をイメージするとわかりやすいかもしれません。
歌の中では、フレーズの始まりに少し加えて感情を強調したり、切なさや色気を表現したりするときに使われます。
エッジボイスは声帯が閉まっている=地声の音がしっかり出ているのを確認するのにも使われる技術のため、ミックスボイス(’=裏声と地声の中間の声)を出す前には習得必須の技術なんですね。
逆に声帯の密着を弱めて使われる声としては、「ウィスパーボイス」もあります。
ウィスパーボイスは、息を多めに含ませた、ささやくような歌声です。
歌詞を近くで語りかけるように聞かせられるため、繊細さや親密な雰囲気を表現できます。
ただし、息を多く使うため、長いフレーズでは息が続きにくくなることがあります。最初からすべての音をウィスパーボイスで歌うのではなく、フレーズの入り口や静かな部分に取り入れると効果的です。
宇多田ヒカルさんの歌い方が代表ですね。
自分の声タイプを診断する3つの方法
ここまで声の種類を見てきましたが、実際に「自分はどの声タイプなの?」と疑問に感じた方もいるのではないでしょうか。
ここでは自分の声タイプを確認する方法を紹介します!
ピアノやアプリを使って自分の声域を測る
まずは、自分がどこからどこまでの音を出せるのか確認してみましょう。
声域を測るときは、ピアノやキーボードがあると便利です。手元に楽器がない場合は、スマートフォンのピアノアプリや音域測定アプリを使っても問題ありません。
最初に、自分が普段話している声に近い高さの音を探します。
その音を「あー」と発声し、無理なく同じ高さで声を伸ばせるか確認してみましょう。
声が安定したら、鍵盤の音を半音ずつ下げていきます。
音程を下げるうちに、声がかすれたり、音として鳴らなくなったりする場所が出てきます。その直前の、無理なく出せた音を最低音として記録します。
次に、最初の音へ戻り、今度は半音ずつ音を上げていきましょう。
高音では、地声のまま出せる最高音と、裏声に切り替えたあとに出せる最高音を分けて記録することが大切です。
次の3つを記録しておくと、自分の声域を把握しやすくなります。
* 無理なく出せる最低音
* 地声で安定して出せる最高音
* 裏声で安定して出せる最高音
ここで注意したいのは、地声ではある音までしか出せなくても、裏声に切り替えるとさらに高い音まで出せることがあります。
ただ顔をしかめたり、首に力を入れたりしなければ出せない音は、現時点では歌に使える音とはいえません。
声域を測る目的は、限界に挑戦することではなく、自分が自然に使える範囲を知りましょう。
録音した声から声質の特徴を確認する
次に、自分の声質を確認していきましょう。
声質を診断するときに役立つのが、スマートフォンなどを使った録音です。
自分が普段聞いている声は、空気を通して耳に届く音だけでなく、骨を通して身体の内側から伝わる音も含まれています。
一方、録音された声は、主に空気を通して他人に届いている声です。
録音した声を聞きながら、今日紹介した声と比べてみてください。
一番近い声が自分が得意とする声質、歌声になります。
最近はAIを使っても診断してくれるので、
ChatGPTに録音した声をおくってみましょう!
どんな声質か、自分ではわからない客観的判断をしてくれます。
また、AIに限らず、得意な歌い方と曲から声タイプを判断することも有効です。
歌いやすい曲で合った「歌声」をしる
いままで歌ってみた曲で歌いやすい曲があったら、それは楽に発声がしやすい、「歌声」が合った曲です。
次のような共通点を探してみましょう。
* 高音が多いか、低音が多いか
* 力強い歌い方か、柔らかい歌い方か
* 地声を多く使うか、裏声を多く使うか
* 長く伸ばす音が多いか、細かなリズムが多いか
* 大きな声で歌いやすいか、小さな声で歌いやすいか
自分の声タイプは「変えられない決まり」ではなく、現在地を知るための地図のようなものです。「歌声」「声質」「声域」のそれぞれのキャラクターを知ったうえで、
まずは今の自分が得意な声を認め、その声を土台にして、少しずつ使える表現を増やしていきましょう。
Q&A
話し声と歌声のタイプが違うことはありますか?
話し声と歌声のタイプが異なることはあります。
普段の会話では出しやすい高さや音量で話しますが、歌では音程や曲調に合わせて、響かせる場所や息の量を変えるからです。
たとえば、話し声が低く落ち着いている人でも、歌うと明るく軽い高音が出ることがあります。反対に、話し声は高くても、歌では厚みのある低音を得意とする人もいます。
話し声だけで自分の歌声を判断せず、実際に歌った声を録音して確認することが大切です。
声の種類は年齢によって変わりますか?
声の種類や印象は、年齢とともに変化することがあります。
成長や加齢によって声帯や身体の状態が変わるほか、話し方や歌い方の習慣も声に影響するためです。
以前は高音が得意だった人が低音を出しやすくなったり、若い頃よりも落ち着いた声質になったりする場合もあります。
過去の声にこだわりすぎず、その時点で無理なく出せる音域や自然に響く声を確認しましょう。
歌いにくい曲はキーを変えてもよいですか?
歌いにくい曲は、自分の声域に合わせてキーを変えても問題ありません。
原曲と同じキーで歌うことよりも、無理なく安定した声で歌えることのほうが大切です。
サビの高音が苦しい場合はキーを下げ、低音が出にくい場合はキーを上げてみましょう。カラオケでは、まず半音ずつ変更しながら歌いやすい高さを探すのがおすすめです。
自分に合ったキーを見つけると、音程が安定するだけでなく、歌詞や感情も表現しやすくなります。
好きな歌手の声をまねすると自分の声質は変わりますか?
好きな歌手をまねることで、発声方法や歌い方の幅が広がることはあります。
声の響かせ方、息の使い方、言葉の発音などを観察する練習になるためです。ただし、声帯や身体のつくりは一人ひとり異なるため、まったく同じ声になるわけではありません。
無理に声を細くしたり、喉を締めてハスキーな声を作ったりすると、負担がかかる場合があります。
声そのものを再現しようとするのではなく、強弱のつけ方やフレーズの歌い方など、取り入れやすい部分を参考にしましょう。
自分の声タイプを一つに決める必要はありますか?
自分の声タイプを一つだけに決める必要はありません。
声には「明るくて柔らかい」「太さがありながら高音も出しやすい」など、複数の特徴が同時に含まれています。また、歌う曲や発声方法によっても声の印象は変わります。
「自分はこのタイプだから、ほかの歌い方はできない」と考えると、表現の幅を狭めてしまうかもしれません。
声タイプは、自分の可能性を限定するためのものではなく、現在の得意な部分や今後の課題を見つけるための目安として活用しましょう。
まとめ

声には、地声・裏声・ミックスボイスなどの歌声、明るい・太い・柔らかいといった声質、そして声域の違いがあります。
まずは録音や音域チェックを通して、自分の声の特徴を知ってみましょう。
声の種類に優劣はありません。自分の声を否定せず、得意な響きや歌い方を活かしながら、少しずつ表現の幅を広げていくことが大切です。
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